2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390242
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飛松 省三 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (40164008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 勝也 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50380613)
前川 俊彦 九州大学, 大学病院, 助教 (40448436)
中島 祥好 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (90127267)
齊藤 崇子 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 特別研究員 (70423522)
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Keywords | 脳の時計 / 時間知覚 / 非侵襲的脳機能計測法 / 神経疾患 / 精神疾患 |
Research Abstract |
【目的】脳の中の時計が、1)時間的流れに関する情報をどの様に符号化し、解読しているのか?2)外界からの事象を時間的に正確に認知するメカニズムは何か?3)事象の間隔、持続時間、配列はどの様に符号化されているのか?4)複数の感覚モダリティからの情報を統合するのに、どの様に時間的順序付けをしているのか?などの日本題点を解決する。 【方法】本年度は、心理学的・行動学的に確認されている聴覚および視覚における「時間間隔の同化現象」のメカニズムを検討した。これは隣接する2つの時間間隔(t1とt2)の異同判断を行うと、物理的に等間隔でなくても等しく見積もるという錯覚である。そこで、3つの連続する純音あるいは視覚パターンの区切り間隔を細かく変えて、そのときの心理学的な時間弁別の正答率、事象関連電位(ERP)を計測し、時間の同化現象に関連する電位成分の検出を試みた。聴覚では、t1を100-280msの間を40msで変化させたが、t2は200msに固定した。一方、視覚ではt1を240-600msの間を40msで変化させたが、t2は400msとした。 【結果】聴覚では-80≦t1-t2≦0msで、視覚では-80≦t2-t1≦40msの範囲で時間間隔を等しく見積もった。聴覚ERPでは物理的等間隔のときのみ、右前頭部に緩徐に持続する陰性成分が出現し、この成分は課題遂行に関わる刺激予期と時間判断の複合成分と考えられた。 【結論】心理的には時間間隔の同化現象が聴覚と視覚で異なることが示された。この脳内機序を明らかにするために、128ch高密度脳波計、306ch脳磁図を用いてさらに解析を進める。
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