2007 Fiscal Year Annual Research Report
白血病残存に関わる分子細胞メカニズムの解明とその克服
Project/Area Number |
19390261
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
直江 知樹 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50217634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝見 章 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (80378025)
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / 化学療法 / 耐性 / 造血ニッチ |
Research Abstract |
1)ヒト白血病細胞をNOGマウスに移植し、白血病細胞の生着・増殖・残存のそれぞれに関わる場所を、解析した。これまでに解析したAML、CML/BC、preB-ALL、T-ALL合計20例では大半が骨端部の骨芽細胞内面に接するように生着し、AMLの一部では血管内皮細胞の外側に接するように生着した。これは移植の度に安定して観察され、白血病細胞のホーミングニッシェと考えられた。またこれは白血病幹細胞分画CD34+38-でも同様であった。 2)治療後残存する白血病細胞について、幹細胞マーカーである色素排泄性(SP)などの観点から明らかにしようとしたが、昨年度購入予定のUVレザーの発売が遅れ、このテーマでの成果が得られなかった。本年度、本機器を購入し、ヒト白血病CD34+38-分画と、SP分画の関連について解析した。 3)NOGマウスに継代移植可能なヒト白血病細胞を、マウス骨髄間質細胞株とともに培養し、接着依存的なヒト白血病細胞株を得た。この接着依存性に関わる分子メカニズムとして、Wnt系、インテグリン系の二つに焦点をあてて、阻害剤や抗体の及ぼす影響を探索的に解析している。これまでのところWNTとそのリセプターFzが細胞の生存維持に関わることを明らかにし、特定のWntとFzがこの働きに関与する傍証をえた。来年度には引き続き接着依存的増殖を阻害する物質あるいは抗体を探索し、白血病残存ニッシェに対する標的治療法の開発を行いたい。
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