2009 Fiscal Year Annual Research Report
白血病残存に関わる分子細胞メカニズムの解明とその克服
Project/Area Number |
19390261
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
直江 知樹 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50217634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝見 章 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (80378025)
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / 化学療法 / 耐性 / 造血ニッチ |
Research Abstract |
1)ヒト白血病細胞をNOGマウスに移植し、白血病細胞の生着・増殖・残存のそれぞれに関わる骨髄内の部位につき解析した。これまでに解析したAML、CML/BC、preB-ALL、T-ALL合計20数例では大半が骨端部の骨芽細胞内面に接するように生着し、AMLの一部では血管内皮細胞の外側に接するように生着した。これは移植の度に安定して観察され、白血病細胞のホーミングニッチと考えられた。またこれは白血病幹細胞分画CD34+CD38-でも同様であった。2)CML/BC,Ph+ALL各3症例からの白血病細胞中のCD34+CD38-,CD34+CD38+,CD34-CD38-分画を移植した場合はNOGマウスに白血病を発症したが、CD34-CD38-分画では発症が見られなかった。CML/BC,Ph+ALLではAML,CML/CPと異なりCD34+細胞とCD34-細胞は相互移行することが明らかになった。3)NOGマウスに継代移植可能なヒト白血病細胞をマウス骨髄間質細胞株とともに培養し、細胞接着依存的なヒト白血病細胞株を得た。この接着依存性に関わる分子メカニズムとして、特定のWntとそのリセプターFzが細胞の生存維持に関わることを明らかにした。一方でインテグリン、CD44の阻害抗体により細胞接着依存的なヒト白血病細胞株の細胞死が見られることが明らかになった。4)NOGマウス移植ヒトCML/BC白血病細胞を用いて、イマチニブ抵抗性のメカニズムを解析した。イマチニブ処理によって、最も未分化分画CD34+CD38-分画の相対的増加が認められた。この分画は静止期が多く、イマチニブ処理によってBCR/ABLおよびCRKLの脱リン酸化が認めれた。この分画にむけた治療を開発する必要がある。
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