2007 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍免疫に基づくホジキンリンパ腫の病態解明と新規治療法の開発研究
Project/Area Number |
19390266
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60336675)
石田 高司 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80405183)
稲垣 宏 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30232507)
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Keywords | ホジキンリンパ腫 / 腫瘍免疫 / CCR4 / EBウイルス / MUM1 / IRF-4 |
Research Abstract |
1) ホジキンリンパ腫検体によるホジキンリンパ腫の免疫病態の解析:文書での同意が得られた、ホジキンリンパ腫約100症例で、基本的な病態の把握に必要なCD3、4、8、15、20、25、30、56抗原などに加えて、CCR4、CCR4のリガンドTARC/CCL17・MDC/CCL22、EBER、LMP2、FOXP3の発現様式を解析した。申請者らは、これまでにホジキンリンパ腫の細胞株を使用して、ホジキンリンパ腫では腫瘍細胞及びその支持組織がCCR4のリガンドを産生してCCR4陽性制御性T細胞を周囲に遊走させる宿主免疫回避機構があることを明らかにし、報告してきた。ホジキンリンパ腫の免疫病態を明らかにするために、現在、これら、病理免疫組織学的知見が得られた症例において、治療反応性や予後などの各種臨床情報を併せて解析中である。 2) ホジキンリンパ腫細胞特異的CTLの樹立;EBV-LMP2特異的CTLの誘導と増殖:HLA-A2または24を有する健常人から、HLA-A2または24拘束性のLMP2特異的CTLを誘導し、増殖、調製した。これらのCTLクローンがHLA-A2または24陽性のEBV陽性リンパ芽球様B細胞株(LCL)特異的に、強い細胞傷害活性を示すことをinvitroの51Crアッセイで確認した。 3)ホジキンリンパ腫モデルマウスの作製:2)で作製したLCLはTARC/CCL17の高産生という、ホジキンリンパ腫と同一の形質を有することを確認した。NOD/SCID/〓c^<null>マウスに2)で作製したLCLを生着させ、さらにautologousのPBMCをマウスに注入した。結果、LCL(大細胞)の周囲に反応性細胞が集積する、ホジキンリンパ腫類似の組織病変を有するモデルマウスを作製する系を確立した。このモデルマウスを用い、2)で作製したCTLのin vivoでの治療実験、制御性T細胞を除去する作用を有する抗CCR4抗体の薬効を詳細に検討していく予定である。
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