2009 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍免疫に基づくホジキンリンパ腫の病態解明と新規治療法の開発研究
Project/Area Number |
19390266
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60336675)
石田 高司 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80405183)
稲垣 宏 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30232507)
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Keywords | ホジキンリンパ腫 / 腫瘍免疫 / CCR4 / EBウィルス / MUM1 / IRF-4 |
Research Abstract |
ホジキンリンパ腫検体によるホジキンリンパ腫の免疫病態の解析: 前年度に引き続き、文書での説明と同意が得られた患者さん由来のホジキンリンパ腫病変組織の、免疫組織学的所見と、様々の臨床的パラメーターを比較、統計学的検討を推し進めた。現在なおheterogeneousな疾患群と考えられるホジキンリンパ腫を免疫学的基盤、分子生物学的基盤に基づいて分類可能とし、さらには病態に応じた適切な治療選択が可能となることを主眼におき、研究を進めている。特にホジキン細胞周囲の反応性リンパ球中のCCR4陽性Tregに焦点をあて、詳細に解析中である、研究者らが臨床開発中のCCR4抗体の適応となりうるホジキンリンパ腫亜集団を同定しつつある。 ホジキンリンパ腫モデルマウスを使用した、病態解析 新規治療法の開発:前年度までにHLA-A24を有する健常人から、HLA-A24拘束性のLMP2特異的CTLを誘導し、増殖、調製した。また、TARC/CCL17を高発現する(LMP2陽性)LCL細胞とautologous PBMCを組み合わせてNOD/SCID/ycnull(NOG)マウスに生着させることにより、ホジキンリンパ腫瘍の組織病変を有するモデルマウスを作製した。すなわちこのリンパ腫モデルの腫瘍浸潤リンパ球(Tumor infiltrating lymphocytes: TIL)中には実際にFOXP3陽性の制御性T細胞(Treg)が集積していた。 本モデルにおいてLMP2特異的autologous CTLは単独で有意な抗腫瘍効果を示し、実際に腫瘍局所にテトラマー陽性のCTLの集積を認めた。また、本モデルを用いた、CTLを投与しない実験系で抗CCR4抗体の投与はTIL中のTregの数を減少させた。現在CTL療法が直面する最も大きな障害は腫瘍局所の制御性T細胞の存在である。本研究の目的は、この最大の障害を臨床的に乗り越えることが期待される。CTL及び抗Treg薬剤としてのCCR4抗体の併用効果が、ヒト化モデルマウスで安定して観察されており、今後の臨床応用が期待される。
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Research Products
(12 results)