2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた子宮頚癌の放射線治療効果予測因子の探索と検証
Project/Area Number |
19390326
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
播磨 洋子 Kansai Medical University, 医学部, 准教授 (80140276)
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Keywords | 子宮頸癌 / 放射線 / 治療効果予測 / バイオマーカー / 蛋白 |
Research Abstract |
放射線治療に対する応答には個体差が存在し、個々の症例で治療効果は異なるので、治療効率を向上させるには腫瘍の放射線治療に対する感受性を予測する必要がある。本研究では子宮頸癌を対象に放射線治療効果予測因子を同定するために患者血液を用いてバイオマーカーの探索と検証を行った。放射線治療を施行した進行期子宮頸癌の初診時に採取した血清を用いて2回に分けてプロテインチップにより検討した。最初に2例の正常女性、6例の進行期子宮頸癌(治療効果良好群3例、不良群3例)の血清を用いた。次に4例の正常女性、12例の進行期子宮頸癌(治療効果良好群8例、不良群4例)の血清を用いた。得られたプロテインチップについて、ProteinChip SELDIシステムModel PBS II C (BioRad社製)を用いて、SELDI-TOF-MSにより各分子量に対する相対強度チャートを得た。得られた相対強度チャートについてペプチドフィンガープリンティング(PMF)とMS/MS解析を用いて蛋白Xを同定した。さらに9例の正常女性、28例の子宮頸癌(良好群18例、不良群10例)の血清を用いてプロテインチップと免疫比濁法で再現性を検証した。Mann-Whitney u-test、Peason's Correlationにより統計解析を行った。パイロットスタディにより、ある1つのピークの発現は治療効果不良群に有意に減少していた。このピークについてPMFとMS/MS解析により同定した蛋白Xに限局して再現性を検証した結果、プロテインチップと免疫比濁法に相関が見られた。さらに免疫比濁法で良好群と不良群を比較し、不良群における蛋白Xの発現は良好群に比較して減少する傾向を認めた(P=0.051)。したがって、我々が検出した蛋白は進行期子宮頸部扁平上皮癌の放射線治療効果予測因子として有用なバイオマーカーの可能性があると考えられた。
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[Journal Article] Results of concomitant chemoradiation for cervical cancer using high dose rate intracavitary brachytherapy : Study of JROSG (Japan Radiation Oncology Study Group).2008
Author(s)
Sakata K, Sakurai H, Suzuki Y, Katoh S, Ohno T, Toita T, Kataoka M, Tanaka E, Kaneyasu Y, Uno T, Harima Y, Nakano T.
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Journal Title
Acta Oncologica 47
Pages: 434-441
Peer Reviewed
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