2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた子宮頚癌の放射線治療効果予測因子の探索と検証
Project/Area Number |
19390326
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
播磨 洋子 Kansai Medical University, 医学部, 准教授 (80140276)
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Keywords | 子宮頸癌 / 放射線 / 治療効果予測 / バイオマーカー / Apolipoprotein C-II |
Research Abstract |
放射線治療に対する応答には個体差が存在し、治療効率を向上させるには腫瘍の放射線治療に対する感受性を予測する必要がある。本研究では子宮頸癌を対象に放射線治療効果予測因子を同定するために患者血液を用いてバイオマーカーの探索と検証を行った。放射線治療を施行した進行期子宮頸癌の初診時に採取した血清を用いてプロテインチップにより検討した。パイロットスタディとして6例の正常女性、18例の進行期子宮頸癌(治療効果良好群11例、不良群7例)の血清を使用した。得られたプロテインチップについて、ProteinChip SELDIシステムModel PBS II Cを用いて、SELDI-TOF-MSにより各分子量に対する相対強度チャートを得た。得られた相対強度チャートをPMF解析とMS/MS解析を用いてApolipoprotein C-II(ApoC-II)を同定した。さらに9例の正常女性、28例の子宮頸癌(良好群18例、不良群10例)の血清を用いてプロテインチップと免疫比濁法で再現性を検証した結果、ApoC-IIは治療効果不良群に有意に減少して発現し、プロテインチップと免疫比濁法に相関が見られた。免疫比濁法で良好群と不良群を比較し、不良群におけるApoC-IIの発現は良好群に比較して減少する傾向を認めた(P=0.051)。ApoC-IIモノクロナール抗体によるElisa-Kitを作成し、65例の子宮頸癌患者の血清のApoC-IIを測定し、臨床データやMMP1と予後との相関をCox比例ハザード単変量、多変量で解析した。ApoC-IIは放射線治療後の原病死生存率に関与し(単変量P=0.01、多変量P=0.02)、特異度は97.9%、感度44.4%であった。したがって、我々が検出したApoC-IIは進行期子宮頸癌の放射線治療効果予測因子として有用なバイオマーカーの可能性がある。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] 子宮頸癌の放射線単独療法、同時化学放射線療法に対するJROSG婦人科腫瘍委員会調査報告―2001年から2003年における子宮頸癌の同時化学放射線療法の実態調査―2009
Author(s)
中野隆史, 桜井英幸, 鈴木義行, 大野達也, 加藤真吾, 坂田耕一, 戸板孝文, 片岡正樹, 田中栄一, 兼安祐子, 宇野隆, 播磨洋子
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Journal Title
日本放射線学会第21回学術大会調査報告集
Pages: 19-25
Peer Reviewed
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[Journal Article] 経皮的椎体形成術とその画像診断2009
Author(s)
米虫敦, 谷川昇, 狩谷秀治, 小島博之, 庄村裕三, 徳田貴則, 野村基雄, 池田耕士, 宇都宮啓太, 播磨洋子, 左野明, 澤田敏
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article]2009
Author(s)
池田士, 剛原稔, 播磨洋子, 澤田敏
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Journal Title
CT・MRIアトラス Update 正常解剖と読影のポイント 咽頭・喉頭(医学書院)
Pages: 129-135
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