2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 俊朗 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (40263264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三善 英知 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20322183)
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Keywords | 糖鎖修飾 / 消化管間質腫瘍 / KITチロシンキナーゼ / 遺伝子変異 / マイクロアレイ / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
癌の原因として腫瘍特異的な遺伝子変異以外のepigenetic changesも関係していると考えられる。本研究では、遺伝子解析の進んでいるGISTをモデルとして、タンパク質翻訳後の糖鎖修飾によるタンパク質機能変化の有無を、遺伝子変異ない若年性GISTでの糖鎖修飾の変化とその分子機構、チロシンキナーゼの活性化過程を明らかにする。本年度は以下のことを明らかにした。 若年性GISTに於ける糖鎖修飾遺伝子変異の同定とKITチロシンキナーゼ変化の特定 KIT遺伝子エクソン11変異を持つGISTと、KITとPDGFRα遺伝子に変異のない若年性GISTからmRNAを抽出、マイクロアレイ解析した。マイクロアレイでは、数十の遺伝子発現量に有意の差を認めたが、糖鎖修飾に関連する候補遺伝子の中で、若年性GISTで減少する遺伝子としてST6GAL1、ST3GAL2、ST6GALNAC4、ST6GALNAC6があげられた。この中で、膜タンパクを修飾するのはST6GAL1のみで、ST6GAL1の発現量をwestern blottingとnorthern blotting、定量的RT-PCRで発現量を比較すると、若年性GISTで有意に発現が減少していた。また、ST6GAL1のknockdownや基質であるCMP-sliac acid或いは前基質GalNACの制限で、小分子量KITの発現が確認された。kinase assayと各キナーゼのリン酸化量より見ると、KITの下流にある増殖シグナル伝達系であるMAP kinases系とPI3K-AKT系の活性化は若年性GISTと大人GISTで差を認めなかった。次年度は、これら事実に基づき、KITチロシンキナーゼの糖鎖修飾部位に変異をいれ、糖鎖修飾を部位特的に変化させ、チロシンキナーゼ活性との関連を明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)