2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物クリアランスと汚染防止に着目した再生医工学技法による同種組織片の開発
Project/Area Number |
19390360
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本村 昇 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (40332580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 新 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70190874)
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Keywords | 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 微生物 / 放射線 / 外科 |
Research Abstract |
心臓血管外科領域において組織移植片(ホモグラフト)は感染性心内膜炎や人工弁感染といった致死的な感染性疾患において優れた成績を修めている。再生医工学技法による脱細胞心臓弁作製の研究が盛んに行われているがその過程にガンマ線照射を盛り込み、微生物クリアランスを確実にする方法を確立することを目的とする。ガンマ線による滅菌:〔概要と方法〕ガンマ線照射は照射設備を茨城県東海村に持つ日本照射サービス(株)に依頼することとし、輸送には冷蔵宅急便を用いた。発送から返送までは最短で7日間を要した。検体はMRSA懸濁液(5x10^2-10^4cfs/ml)を用い、照射線量は2kGy、4kGyとした。〔結果〕非照射群では生存菌量が相当数認められたが、照射群では全検体で細菌の生存が確認されなかった。X線による滅菌:〔概要と方法〕ガンマ線を使用する限り試験期間の短縮ができず温度管理も徹底できないことより、大学内で使用でき低線量を照射できるX線で組織の滅菌を試みることとし、試験期間は2日間に短縮された。検体は同じくMRSA懸濁液を用い、照射線量は10Gy、100Gyとした。〔結果〕生存菌数は予測される結果とほぼ同様で、100Gy照射で約6割に減少した。このことよりX線による低線量の照射でもほぼ計算通りの滅菌効率が得られることが確認された。 考察と今後の予定:S.aureusのD10値より400GyのX線照射では生存菌数が計算上は16%ほどに減少することが予測され、完全な滅菌は不可能なものの抗生剤処理と組み合わせることで抗生剤処理単独と比較して感染性が改善することが期待される。また、培養平滑筋細胞が400GyのX線照射で優位に減少しないことより、血管graftのViabilityも大きくは悪化しないことが期待された。
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Research Products
(4 results)