2007 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的エピゲノム解析技術システムを用いた卵巣癌化機構の解明について
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19390423
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有馬 隆博 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, COEフェロー准教授 (80253532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
千坂 泰 東北大学, 医学部, 非常勤講師 (40323026)
高林 俊文 東北大学, 医学部, 教授 (30124598)
阿部 圭子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 技術補佐員 (30444003)
間宮 良子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 技術補佐員 (50443990)
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Keywords | 卵巣癌 / エピジェネティックス / 症例対照研究 / ChIP-on-Chip / 抗メチル化シトシン |
Research Abstract |
本研究の目的は、卵巣癌の癌化機構において、エピジェネティックな修飾を受ける遺伝子の構造上あるいは機能的な特徴を見いだし、この修飾に共通して影響を受ける転写因子やそのネットワークを多方面から評価することである。・ChIP-on-Chipシステムによる解析;卵巣癌細胞株(PA1,SKOV)を用い正常卵巣上皮細胞株と比較解析し、網羅的・系統的なエピジェネティックスの解析を行った。DNAは超音波により断片化し、抗メチル化シトシン抗体で免疫沈降後、抗メチル化シトシン抗体に結合するDNAのプロファイリングを行った。その結果、癌細胞で有意にメチル化の変化を受ける(8-16倍以上)107領域を同定した。この領域には、癌抑制遺伝子のプロモーター(P14、P16)、既知のインプリント制御領域(アレル特異的メチル化領域)、DNA修復遺伝子(14-3-3s遺伝子)発現調節領域も含まれていた。統計学的解析も行っている。・インプリント制御領域のメチル化の解析;卵巣癌DNAをバイサルファイト処理し、PCR後制限酵素で消化し、電気泳動するCOBRA法でメチル化の定量を行った。対照実験として、年齢をマッチさせた正常卵巣組織22検体について同様に解析した。正常卵巣組織の結果(平均%)、H19:44.3、GTL2:43.4、PEG1:36.4、LIT1=50.7、ZAC:35.4、PEG3:40.4、SNRPN:21.8のメチル化を示した。一方卵巣癌では、H19:38.1、GTL2:41.2、PEG1:41.9、LITI:41.7、ZAC:35.4、PEG3:44.7、SNRPN:22.5のメチル化を示した。高メチル化(2SD以上)はH19で7症例、GTL2で10症例、PEG1で4症例、LIT1で3症例、ZAC:3、PEG3:6、SNRPN:8症例みられ全体のおよそ42%に異常を認めた。一方で低メチル化(2SD以下)はH19:9、GTL2:12、PEG1:1、LIT1:12、ZAC:2、PEG3:1、SNRPN:7に認められた。今後も症例の追加、患者背景、組織型など細分類を行う。・卵巣癌患者の登録;今年度は症例予定登録50例の84%に達している。
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Research Products
(8 results)