2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390504
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
松浦 尚志 Fukuoka Dental College, 歯学部, 准教授 (60330966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博信 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00145955)
片渕 三千綱 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (90454933)
松永 興昌 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (50389409)
後藤 加寿子 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (60389418)
都築 尊 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70330967)
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Keywords | 皮質骨 / 下顎骨 / コラーゲン / ミネラル |
Research Abstract |
コラーゲンの翻訳後修飾の産物であるリジン残基の水酸化の程度とコラーゲン分子間の架橋量は,コラーゲン線維形成とそれに引き続く骨の石灰化に重要な役割を担っている.我々は前年度までに骨粗鬆症モデルマウスの下顎骨の皮質骨では,骨量が減少するのみならず,リジン残基の水酸化が増加し,コラーゲン分子間の架橋量が減少することを見出し,それらを反映してコラーゲン線維のパッキングが減少し,さらにコラーゲン線維が細くなる(骨基質中のコラーゲン量の割合も減少する)ことを見出してきた.これらは骨膜活性が反映される皮質骨において,骨粗鬆症の骨ではコラーゲンの翻訳後修飾が正常な骨とは異なることによって骨の量的および質的減少を引き起こしている可能性を示唆する.骨粗鬆症に限らず,「ヒト個人特有のコラーゲンの翻訳後修飾の程度がコラーゲン線維形成とそれに引き続く石灰化の個体差を生み出し,その結果皮質骨の量的および質的個体差を生み出している」という仮説を立て,本年度はヒト献体17体の下顎骨を用いて,皮質骨基質中に占めるコラーゲン量の割合とミネラル量の割合を測定することにより,皮質骨の骨質の個体差がどの程度存在するのかを検証した.骨基質中のコラーゲン量の割合は118.6~182.4μg/mg乾燥骨で,ミネラル量の割合は57.1~64.2%(乾燥骨中)であり,献体者間で大きな個体差が認められた.今後,献体数を増やしながら,これらの分析に加え骨量とリジン残基の水酸化の程度の定量も行い,骨膜活性が影響する皮質骨においてコラーゲン翻訳後修飾の程度の個体差が骨量と骨質の個体差を生み出している可能性を追求していく予定である.
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Research Products
(1 results)