2008 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍特異的感染ウイルスカプシド成分の合成による腫瘍特異的吸着リポソームの開発
Project/Area Number |
19390508
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鵜澤 一弘 Chiba University, 大学院・医学研究院, 准教授 (30302558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
椎葉 正史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20301096)
武川 寛樹 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (80173558)
齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
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Keywords | 低病原性ウイルス / 腫瘍特異性 / リボソーム |
Research Abstract |
低病原性ウイルスであるシンドビスウイルの腫瘍特異的吸着能を有するリガンドを融合したリポソームの吸着能の評価に加えて、内包物を細胞内移送するリボソームへ改良と評価法の検討を行った。 まず、リボソームの組成は、脂質ヘウイルス蛋白を融合できる許容性と、内包率が良く経時的物理的安定性ある組成を検討した結果、phosphatidylcholine、Cholesterolとphosphatidylserineをモル比4:5:1の配合する条件が最適であった。ネガティブ染色を行い電子顕微鏡下で形態学的評価を行い、リボソーム表面にリガンド成分の融合を確認した。リガンド成分は、前年同様に、超遠心濃度勾配濃縮法にて、全エンベロープ蛋白を精製したが、同時に、吸着機能部位の同定のために、各構造蛋白(カプシド、E1、E2)のクローニングを行い、発現ベクターを作成した。最後に、リボソームの吸着能と内包物移送能の評価法は、蛍光標識を検討して、蛍光顕微鏡にて行った。吸着能評価にはリボソーム脂質表面へ、0.2mo1%rhodamine脂質、あるいわ、FITC脂質を添加すると有効であった。内包物移送の評価には、0.5mMrhodamin蛋白溶液、あるいは、5mMFITC-dextran溶液を内包すると有効であった。rhodamin標識は、感度は高いが、蛍光の特異性はFITC標識が高い傾向にあった。 以上から、FITC-dextranを内包して、rhodamin脂質にて蛍光標識したリポソームヘリガンド蛋白を融合処理し、癌細胞株(口腔癌、肺癌、抗癌剤耐性株)と正常細胞株へ、脂質濃度0.2mMでリボソームを添加培養したところ、癌細胞株では、リガンド蛋白と融合処理したリボソームが特異的に吸着し内包物を移送していた。今後、特異的吸着能をコードするリガンド領域を同定と、抗癌剤の内包法を検討する。
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