Research Abstract |
健常児の家族構成員を対象に歯周病原性菌8種類Actinobaccillus actinomycetemcomitans (A.a,), Porphylomonas gingivalis (P.g.), Tannerella forsythia (Bacteroides forsythus) (T.f.),Campylobacter rectus (C.r.), Treponema denticola (T.d.), Fusobacterium nucleatum (F.n.), Prevotella intermedia/Prevotella negrescence (P.i./P.n.), Eikenella corrodens (E.c.)を標的として,小児とその同胞,両親,祖父母の口腔内から分離し,染色体DNAフィンガープリントを用いた分子疫学的多型解析に感染源の鑑別,特定,さらに口腔内の歯周状態評価,生活環境などの歯周病リスク因子の解析を行い,(1)歯周病原性菌の感染源,小児への伝播感染経路,感染時期,菌種間の相異,家族間の共有等,(2)伝播,感染に及ぼす歯周病リスク因子(宿主因子)の影響(3)小児期からの成人性歯周炎予防対策への提言について明らかにすることを目的とした。実験項目:1.対象母集団からのサンプルの採取,口腔内診査(1)小児およびその家族(祖父母まで含む)の唾液,歯垢を採取する。(2)小児の家族構成員からサンプルを同様に採取する。(3)口腔内診査による宿主歯周状態のデータ収集 2,細菌の分離 3.染色体DNAフィンガープリントによる伝播の分析(1)染色体DNAの抽出2)染色体DNAフィンガープリント法によるhomology解析と感染源の特定,のうち今年度はパルスフィールド電気泳動装置,Gel Docの設置と細菌の分離を行った。また,嫌気培養のための嫌気ボックスの故障修理に期間を要したため,培養関係の実験が遅れた。現在,小児歯周炎患者の情報を収集し,家族の唾液採集を行っている。また今後の研究の迅速化のために歯周病原性菌のパルスフィールド電気泳動の条件に関する情報を調べている。来年度は,20家族以上を対象に,小児および家族構成員の歯周病原性菌を分離し,その伝播や感染源の特定をフィンガープリント法により調べる予定である。
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