2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390533
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
進士 久明 Kanagawa Dental College, 歯学部, 准教授 (00147993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 茂成 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90205013)
山本 浩之 信州大学, 繊維学部, 名誉教授 (60021151)
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (20104333)
大川 浩作 信州大学, 繊維学部, 准教授 (60291390)
山口 三菜 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (10386849)
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Keywords | ホスホセリン / 歯質 / 石灰化 / ナノファイバー |
Research Abstract |
合成リン酸化ポリペプチドを用い硬組織を生成させることが可能になれば,歯科臨床は大きく変化する.歯を齲蝕になりにくい形態に変えることができるばかりでなく,ごく小さいエナメル質齲蝕の実質欠損部に硬組織を再生させることによって元の形態を回復することも可能となる. 歯牙組織のHAP形成機構の必須要素は,(1)結晶核形成の誘導因子としてのコラーゲン繊維,および,(2)結晶成長速度および方向を制御するリン酸化タンパク質の二つである.本年度は,合成ポリペプチドおよび多糖を用いるマイクロ・ナノ繊維作製に関する新技術を多数報告した.作製されたキトサンおよびセルロースのナノ繊維は,歯牙組織中のコラーゲン繊維に匹敵する細さを持ち,繊維ネットワークの形態は大変よく似通っている.ゼラチンを用いても微細繊維構造を作製可能である.本年度の成果として,合成リン酸化ポリペプチドを混合して作製したゼラチン微細繊維は,上記の(1)-(2)の要請を満たし,繊維形態およびHAP形成誘導能に優れることを明らかにした. また,牛歯歯面上に硬組織を新生させる実験に於いては,ポリホスホセリン,ホスホセリン,ホスホセリンとアスパラギン酸の共重合体,ポリアスパラギン酸,ホスビチンの中で,ポリホスホセリンがアパタイトへの吸着性,カルシウムイオンとの結合性および牛歯エナメル質表面への結晶成長に優れていることを確認できた. これらによって,合成リン酸化ポリペプチドを含む天然高分子微細繊維は,全く新規な歯牙欠損部での硬組織再生および小窩裂溝部の硬組織新生による齲蝕予防法として期待されるものであることが示唆された.
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Research Products
(14 results)