2009 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系カオス解析を用いたバイタルサイン情報の測定手法の開発
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19390545
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 孝泰 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40214613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 美礼 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (00273417)
市川 政雄 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (20343098)
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Keywords | 複雑系カオス / 指尖容積脈波 / 健康度 / 日本版GHQ / 自律神経 / 生活ストレス / 疲労 |
Research Abstract |
平成21年度は、日常生活での生活ストレスの比較、および生活空間要素であるインテリア等の改善(緑の環境改善や、色彩やテクスチャーなどの工夫)による生活ストレスへの影響について、それらの効果を実証できるような装置の実用化に向けた検討を行った。これまでの研究で開発された装置は、最終年度をむかえ、さらに実用化に向けた改善を行った。その内容は、指先の計測が簡易に再現性のあるデータが得られるように、指先の加圧部分と、データを解析するボックス部分を分離した形で新製品を作成した。さらに、解析項目も改善し、加速度脈波による血管年齢の推定、脈波のゆらぎ解析による加圧時自律神経活動の把握、さらには計測時の体動などによって生じる基線の揺れを解消するために、基線の揺れを補正するプログラムを行い、安定した計測が行えるような機器の修正を行った。当初計画では、光環境や音環境などの影響によって、生体の反応に影響が及ぶのではないかという仮説を立て、予備実験を行ったが大きな差が得られなかった。そこで、とくに最終年度であった本年度は、実用化に向けた機器の最終調整と、「遠隔医療・看護」への活用と生体の健康情報としての効果性と実用性について、主として取り組んだ。研究目的は、遠隔地から生体情報を得る手段として、複雑形カオスに基づいた生体解析情報が、使用者側や医療者側にどのような効果のある情報をもたらすかについて、実際の生活場面での評価を行った。研究方法は、日常生活の中で日々の体調変化を開発された機器でとらえるとともに開発した加圧式指尖容積脈波形装置で出された解析結果とどのような関連を持っているかを中心に検討をおこなった。主観的な健康状況のチェックには、「日本版GHQ30健康チェック」を用い、健康状態との関連について検討した。その結果、健康度と複雑系カオス解析および、加速度脈波による自律神経反応に大きな関連があることが明らかになった。このことから、次世代の健康支援ツールとして、今回開発したデバイスは十分に日常生活での健康度チェック、および慢性疾患患者の継続的看護に有効であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)