2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390572
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 美恵子 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 教授 (10171802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 修平 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30145122)
小山 達也 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (90408568)
嵐 弘美 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (50439832)
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Keywords | 精神看護学 / 看護倫理 / 倫理教育 / 実践倫理 / 精神科医療 |
Research Abstract |
「精神看護の実践倫理」を構築することを目的として研究を実施し、成果を得たため、以下に報告する。 1. 「精神看護倫理教育プログラム」(試案)を開発する これまでの研究者らの研究成果、さらなる詳細な文献検討、海外の精神看護倫理の専門家からの専門的知識の提供とスーパービジョンをもとに、精神看護の臨床における倫理教育プログラムに必要とされる知識と方法について検討し、「精神看護倫理教育プログラム」(試案)を作成した。「精神看護倫理教育プログラム」(試案)の内容は、<第1回概論(1):倫理学の主要概念と看護倫理><第2回概論(2):世界の人権思想と専門職の倫理><第3回:各論(1):精神科医療における倫理-1(精神科医療倫理の特殊性)><第4回:各論(2):精神科医療における倫理-2(非倫理的事例への対応:モデル行動化)><第5回:事例検討>から構成され、計5回とした。 2. 1.で開発された「精神看護倫理教育プログラム」を、パイロットスタディとして精神看護学専攻の修士・博士課程の学生ならびに修了生の有志に対して試験的に実施し、その過程の分析、参加者からフィードバック、教育プログラム前後的効果の測定を行うことで、「精神看護倫理教育プログラム」を洗練させる準備を進めている。 3. 「精神障害者の人権保障のための看護師の意識と技術に関する研究」(平成16,17,18年度科学研究費基盤研究(C))において開発した「精神科看護師が倫理的問題を体験する頻度と悩む程度」の質問紙(75項目)を49項目に精選した。ほかの因子との関連を検討した結果、強制的な入院形態や救急・急性的、閉鎖的な医療現場で倫理的問題を体験する頻度が有意に高いことが明らかになった。さらに、准看護師より看護師の方が、准看護師養成課程卒業者に対して他のすべての教育課程卒業者の方が倫理的問題を体験する頻度が有意に高かった。以上により、倫理的問題が体験される精神科医療現場の特性が明らかにされたとともに、倫理的感受性に対する教育の影響が示唆された。
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Research Products
(2 results)