2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390572
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 美恵子 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 教授 (10171802)
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Keywords | 精神看護 / 看護倫理 / 倫理教育 / 実践倫理 / 精神科医療 |
Research Abstract |
今年度は、研究代表者らが「精神障害者の人権保障のための看護師の意識と技術に関する研究」(平成16,17,18年度科学研究費基盤研究(C))において開発した、「精神科医療施設で看護師が出会う倫理的問題の頻度と悩む程度(FEEP)」の測定用具(80項目)の妥当性・信頼性の検討を進め、43項目に精錬し、簡易尺度を開発した。 また「精神看護倫理教育プログラム」(試案)を作成し、平成20年10月から平成21年1月までの期間で関東近郊の精神看護専攻の大学院生26名を対象とした倫理教育を行い、そのプロセスを記録・分析した。プログラムは、概論(1):倫理学の主要概念と看護倫理、論(2):世界の人権思想と専門職の倫理、各論(1):精神科医療における倫理-1(精神科医療倫理の特殊性)、各論(2):精神科医療における倫理-2(非倫理的事例への対応:モデル行動化)というテーマでの講義4セッションと、事例分析1セッションにより構成されていた。毎回のセッション終了時にはアンケート調査を実施し、アンケートの自由記載の内容分析から、<倫理の知識を得る>、<実践体験と重ねる>、<臨床への適応を考える>、<自分自身を振り返る>などの体験がなされたことが明らかとなった。また対象者のうち過去3年間に精神科病棟で勤務経験のある対象(N=9)に教育プログラム前後でFEEP(43項目)を用いて教育効果の測定を行ったところ、出会った頻度の合計得点の平均値はプログラム後に減少していたが、有意な差は認められなかった。以上の結果から「精神看護倫理教育プログラム」を完成させた。研究過程においては、精神看護倫理の専門家であるD.Olsen氏から専門的知識の提供を受けた。研究成果については国際学会での発表を行った。
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