2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390572
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 美恵子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
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Keywords | 精神看護 / 看護倫理 / 倫理教育 / 実践倫理 / 精神科医療 |
Research Abstract |
<研究課題>精神科看護師が体験する倫理的問題の特徴と関連因子の検討 精神科で働く看護師が倫理的問題を体験する頻度と悩む程度の実態と、看護師・施設の属性との関連を明らかにすることを目的に全国調査を行った。研究者らが開発した「精神科看護師が倫理的問題を体験する頻度と悩む程度」質問紙(43項目版)、人口学的データと施設に関する質問群で構成される調査票を、協力施設を通じて看護師に配布した(調査期間:平成21年12月~平成22年3月)。有効回答数1515(有効回答率91.5%)、看護師1095名(72.3%)、准看護師417名(27.5%)、性別は女性1069名(70.6%)、男性442名(29.2%)、平均年齢42.7歳、平均精神科臨床経験年数12.0年であった。対象者が体験する倫理的問題で頻度.悩みが多い項目の内容は、患者の退院の難しさ、看護師の感情、看護師の専門的能力の不足に関するものであった。看護師は准看護師より、倫理的問題を体験する頻度、悩む程度が有意に高く、それらの体験には精神科臨床経験が影響していた。 <研究課題>精神障害者の「リカバリー」における入院経験の意味 精神障害者の「リカバリー」における精神科病院への入院経験の意味を明らかにし、精神科医療における患者の権利保障のための示唆を得ることを目的に、入院経験のある地域で生活する精神障害者13名にインタビュー調査を行った(調査期間:平成21年8~10月)。対象者は13名、男性9名、女性4名、平均年齢44.1歳、入院回数は平均3.8回であった。精神科病院への入院は、強制治療が行われる環境や人としての尊厳を損なわれるような対応に、人生への絶望を経験するものとして語られた。しかしながら入院はまた同じ経験をもつ仲間と出会う場であり、仲間の存在はリカバリーにとって重要であった。 研究はすべて所属する大学の倫理委員会の承認を得て実施した。
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Research Products
(4 results)