2009 Fiscal Year Annual Research Report
旧台北帝大に遺存する国学者・長沢伴雄の旧蔵書に関する総合的研究
Project/Area Number |
19401016
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高橋 昌彦 Fukuoka University, 人文学部, 准教授 (00216756)
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Keywords | 国文学 / 日本史 / 国学 / 長沢伴雄 / 国立台湾大学 |
Research Abstract |
本研究は、旧帝国大学時代に海外に流出し現地に遺存した国学者の膨大な旧蔵書の精査を行ない、国内の資料によってのみ構築された傾向が否めない国学史を是正し、新資料ならびに新しい視座を内外の研究者に公表することによって、近世末期文壇像を再構成することを目的としている。 1)長沢文庫書誌調査 目的を遂行するために長沢文庫の書誌調査を行った。平成21年度は、2回にわたる現地調査を行い-夏季(8月18日~21日、参加者10名)・冬季(2月23日~26日、参加者10名)-、前年度までと合わせて、長沢文庫485点の書誌調査がほぼ完了した。これまでの目録で、一括の形で整理されていた典籍の調査に、予定以上に手間取り、あと数点を残すところで終了している。同時に、長沢文庫目録の出版にむけて、これまで採取したデータの漏れや確認作業にも取りかかった。加えて、本研究とは直接関係ないが、かつて科研費で台湾大学の蔵書を調査し、善本目録を出版することになっていたプロジェクトに関して、多くの助力を行った。一方、国内の調査として、長沢を初め周辺人物の著述について調査を行った。 2)一次資料『絡石の落葉』の書誌調査・翻字作業 平成20年度から順次刊行の歌文集『絡石の落葉』は、第2・第3巻と無事出版を終えた(第2巻の奥付は、平成20年度になっているが、実質は21年度に入ってから刊行されている)。翻字作業は、長沢伴雄研究を精力的に行っている連携研究者亀井森を中心に行ない、難読箇所については研究代表者高橋等が解読した。また、この本の刊行を記念して講演会が開催され、代表して亀井が演壇に立った。これにより、長澤伴雄及び周辺文人の文学研究は大きく進むと考えられる。
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Research Products
(4 results)