2007 Fiscal Year Annual Research Report
ペルー山間地域の「その後」-農民社会の動態に関する文化人類学的研
Project/Area Number |
19401044
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
加藤 隆浩 Nanzan University, 外国語学部, 教授 (50185849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 博幸 長崎外国語大学, 外国語学部, 教授 (00249666)
真鍋 周三 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (70275303)
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Keywords | ペルー / 農民社会 / 動態 / 文化人類学 / 再訪 |
Research Abstract |
ペルー共和国では、先住民が多く暮らす山間の農村部から海岸地方の都市部への大量移住が1950年代に始まった。それに伴い。都市部周辺には農村から持ち込まれた伝統文化が息づき、ペルーの広い部分で伝統の拡散現象が生起している。ただし、それは、単なる文化の伝播ではなく、地域の社会・文化的状況に適応する形で変化を遂げてきている。その結果、新たな文化の創出だけでなく、既成文化や新たな文化要素のダイナミズムも観察できる。しかも、近年、地球規模で発生しているグローバル化、「グローカル」化という問題も出てくる。しかし、単にこうした社会や文化の変化を移住とかグローバル化というような原因に還元して分析することは。ペルーの実態に即していない。なぜならば、報告者が、これまで観察してきたところによれば、一つの社会・文化的変数が同じ結果を引き起こすとは限らず、また、逆に、異なる変数が、同じ結果を生むこともある。本研究は、社会・文化的変化とは何かと常に念頭に置き、実証的研究を心掛けてきた。そこで、報告者等は、変化をただ近視眼的に見るのではなく、今から30〜40年前に集中調査したことのある地域に赴いて、この間の変化を地域住民とともに考えた。研究者3名、研究協力者5名で、それぞれが別々の社会で調査を行った。加藤隆浩は、フニン県アコ村で道路網の発達とそれによって活発となったプロテスタントの活動についての基礎データを蒐集した。真鍋周三は世界市場に組み込まれた獣毛産業の変遷で。ブーノ県の牧民の生活の変化を古文書を中心に調査した。高橋博幸は、クスコ県でのインディヘニスモの展開と国語教育(芝居を中心とした)の普及との関連を調べるため、演劇テキストを分析した。友枝啓泰は、アヤクチョ県での政治暴力が村落の政治に与えた影響についての資料を集めた。藤井龍彦は、コトシュ遺跡がどのような形で保存されてきたかを検討しながら、遺跡の発掘が村落の開発にどのような影響を与えるかを調査した。
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Research Products
(3 results)