2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける地域コンフリクトの緩和・予防と「共生の知」の創出
Project/Area Number |
19402005
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
伊藤 哲司 Ibaraki University, 人文学部, 教授 (70250975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正樹 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (90182716)
金 光男 茨城大学, 人文学部, 教授 (10261728)
木村 競 茨城大学, 教育学部, 教授 (70241734)
岩佐 淳一 茨城大学, 教育学部, 教授 (10232646)
京樂 真帆子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (00282260)
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Keywords | 東南アジア / 地域コンフリクト / 共生の知 / サステイナビリティ学 / 学際研究 / ベトナム・インドネシア・フィリピン / 聞き取り調査 / 地域紛争 |
Research Abstract |
研究計画にそって、フィリピン調査(7月および8~9月)、ベトナム調査(9月、12月、および2月)、インドネシア調査(8~9月)を、手分けしてそれぞれ分担者が行った。3年目である今年度は、これまでの2年間に行った調査をさらに継承発展させ、各地域での協力を踏まえながら、おおむね順調に進めることができた。フィリピンでは、フィリピン国軍と反政府武装勢力との紛争で両側に直接関わった希有の人物や紛争激化回避の知恵である「投降」経験者などから聞き書きを重ねるなど、調査を深めた。ベトナムでは、ホーチミン市(サイゴン)などで元南政府軍の兵士だった人々の見方、また「英雄の母」の称号を持つ女性の現在についての一次資料を得た。インドネシアでは、バリ島のケドガナン村で現地調査を行い、いわゆる「共有地の悲劇」を起こさない協働的地域ガバナンスによる地域資源管理のあり方を研究した。また、神戸における元ベトナム難民の人々およびその2世・3世が集まっている教会・NGOでも、大学院生の協力を得ながら調査を実施した。4月に研究協力者(横山・蓮井)が、立教大学での環境・平和研究会で関連の報告を行い、6月には、東京外国語大学で行われた海外学術総括班フォーラムに招かれて研究代表者(伊藤)と研究分担者(横山)が発表し、多くのコメントと示唆を受けることができた。9月には、台湾・東華大学にて行われたアジア太平洋平和学会(APPRA)で、研究分担者3人(横山・蓮井・京樂)がひとつのセッションを受け持ち、好評を得た。さらに1月にはインドネシア・アチェの専門家(佐伯奈津子氏)を招いての勉強会を開き、2月には研究分担者(横山)が、フィリピンのシリマン大学での招待講演を行った。また複数の書籍や論文執筆にも取り組み、成果を形にしている。最終年度となる来年度は、これまでの成果を踏まえた総括の年とする予定である。
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Research Products
(11 results)