2007 Fiscal Year Annual Research Report
移動の日中比較を通じた東アジアの地域社会と市民社会の対抗的相補性に関する研究
Project/Area Number |
19402008
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
首藤 明和 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 准教授 (60346294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 捷 愛媛大学, 国際交流センター, 准教授 (00380212)
大橋 健一 立教大学, 観光学部, 教授 (70269281)
福田 恵 大谷大学, 文学部, 助教 (50454468)
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Keywords | 移動 / グローバリゼーション / 中国 / 日本 / 地域社会 / 市民社会 / 家族 / 文化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(a)「移動」(離農、起業、流通、金融、観光、移民など)の日中比較を通じて、東アジアをその社会文化構造から統一的に捉える枠組みを構築すること、(b)「移動」を支える社会的基盤として「地域社会」を捉え、この「地域社会」と、「複数のモダニティ」のなかで生成する東アジアの「市民社会」とのあいだの、対抗的で相補的なダイナミズムを理論化すること、(c)近代化論のなかで周辺的、従属的に言及されてきた「移動する人びと」と、彼ら彼女たちを支える「地域文化」に着目し、「適応」や「秩序維持」とは異なった「文化」の可能性を内包する、東アジアの「地域社会」の成り立ちを明らかにすること、(d)「移動」「地域社会」「地域文化」「市民社会」と関連させて家族の構造や機能に関する日中の比較考察を行うことである。 平成19年度は、中国では江蘇省湖州市、北京市、黒龍江省綏芬河市で、アメリカではニューヨークやロサンゼルス、日本国内では広島県府中市において現地調査を行った。 調査方法は、(a)中心的なインフォーマントに対する集中的なインタビュー、(b)機縁法的インタビュー、(c)行政や研究機関の関係者へのインタビュー、(d)現地に関する研究文献・資料や史料、行政関係データの収集などを柱とする。 中国の湖州市、北京市、綏芬河市では、木材加工従事者を主な対象として、離農と起業、地域間移動や社会移動、国境を越えた人・モノ・資本の移動についての聞き取り調査を行った。 アメリカでは、華人社会を対象にして、「老移民」と「新移民」の地域社会、社会的ネットワークについての聞き取り調査を実施した。府中市では、木材に関連した産業に従事する人びとを中心に離農と起業のプロセスについて聞き取り調査を行った。また、満州開拓団や関東軍に従事した人びとに集約的なインタビューを行い、近代の国境を越えた移動に関する理解を深めた。
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Research Products
(11 results)