2009 Fiscal Year Annual Research Report
韓国の産業技術革新における日本人エンジニアの役割に関する調査研究
Project/Area Number |
19402027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深川 博史 Kyushu University, 経済学研究院, 教授 (30199153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 英美 熊本大学, 法学部, 准教授 (80404078)
清水 一史 九州大学, 経済学研究院, 教授 (80271625)
久野 国夫 九州大学, 経済学研究院, 教授 (90136416)
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Keywords | 韓国 / 産業技術革新 / 日本人エンジニア |
Research Abstract |
本研究の第3年目は、第2年目と同じく、比較的順調に、調査を進めることができた。本年の代表的な調査は、旭硝子の韓国現地法人「旭硝子ファインテクノコリア」の、在韓日本人エンジニアからのヒアリングである。 「旭硝子ファインテクノコリア」は、韓国慶尚北道亀尾市サンドン面ボンサン里亀尾国家産業団地に位置している。「旭硝子ファインテクノコリア」からは、製造2部試作管理チーム長、素板製造チーム長、基板加工チーム・テクニカルアドバイザー、等がヒアリング調査に参加し、長時間にわたって、インタビューを実施した。インタビュー内容は既に内部文書化しており、現在は分析作業を加えている。 また、共同研究者とともに、韓国において共同研究会を開催し、海外現地の研究者も交えて、これまでのヒアリング内容に関して、意見交換会を行った。共同研究者等からのコメントを踏まえて、ヒアリング内容の精査・分析作業を進め、その一部を複数の論文等に公表している。本プロジェクトのヒアリング内容には、秘匿内容が多く含まれていることから、ヒアリング内容公表に際しては、個人名はすべて伏せた上で草稿を作成し、精査後に、公表の準備を進めた。そのため、ヒアリング実施から、内容公表までには、時間差が生じている。 従来の調査から、日本企業からヘッドハンティングされた技術者たちが、様々な局面で韓国の技術革新に関与したことが明らかとなった。ただ、秘匿事項が多いため短期間の調査ではヒアリング可能な内容に限界がある。さらに時間をかけてヒアリング対象者との信頼関係を構築できれば、より多くの情報を入手可能となる。加えて、日本人技術者を雇用した韓国企業側からのヒアリングを行うことで、日本人技術者の役割を、より客観的・多面的に捉えることが可能となる。以上の理由から、次年度は、ヒアリング対象を韓国企業の経営側にまで拡大して、より多面的な資料を収集する計画である。
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Research Products
(5 results)