2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会保障施策の地域的・総合的提供(「政策の束」)に関する国際比較研究
Project/Area Number |
19402040
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 公子 Kanazawa University, 経済学部, 教授 (80212025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 道彦 金沢大学, 法学部, 教授 (10295016)
井上 英夫 金沢大学, 法学部, 教授 (40114011)
伍賀 一道 金沢大学, 経済学部, 教授 (20104870)
堀林 巧 金沢大学, 経済学部, 教授 (70143873)
横山 寿一 金沢大学, 経済学部, 教授 (10200916)
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Keywords | 社会福祉関係 / 政策の束 / 貧困との闘い / 社会的排除 / 社会的包摂 / 国際比較 / 地域における対貧困政策 / 多重債務問題 |
Research Abstract |
本研究は、貧困問題のもつ多様な相に着目し、地域における対貧困政策の相互連携、「政策の束」形成の可能性を探ろうとするものである。研究の初年度にあたる07年度には、定期的に研究会を開催し、相互の研究状況についての報告・意見交換を行うとともに、研究計画に則して国内外での調査研究活動を実施した。 海外については、(1)ノルウェイにおけるハンセン病政策の調査と資料収集、(2)デンマークにおける障害のある人への人権保障の実態調査、(3)ドイツにおける障害者のスポーツ参加の推進状況に関する調査、(4)ドイツにおける求職者基礎保障の施行状況と改革動向に関する調査、を実施した。また国内でも加賀市における対貧困政策に関するヒアリング、労働政策研究・研修機構、専修大学、法政大学における資料収集と他研究者との意見交換を行った。 海外調査からは、例えば障害のある人へのサービスに関して、教育、医療、福祉、スポーツ、雇用等の多面的サービスを地域のNPO等が介在しつつ連携をしている状況、あるいは長期失業者に対する生活保障、就労支援、家族ケア、債務相談等の各種サービスを「一つの手から」供給する枠組み作りが進められている状況が垣間見られた。 国内に関して言えば、多重債務問題に関わって各自治体に相談窓口を開設することが促進されているが、自治体の生活保護、高齢者福祉、教育、保育、税・料金徴収などの部局が横断的な連携体制を作ろうとしている動きが注目される。この連携が地域における貧困の発見・予防に対する手がかりとなりうるかは今後の検討が必要である。
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Research Products
(32 results)