Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30220073)
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 教授 (40207220)
松島 健 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40222301)
前野 深 東京大学, 地震研究所, 助教 (20444078)
|
Research Abstract |
平成19年11月に島原市の会議において,サイパンの研究者から北マリアナの火山活動の現状報告を受け打合せを行った.さらに,12月の米国地球物理学会において,米国地質調査所研究者と具体的に調整を行い本観測研究についての理解を得た.度内に地震計の設置を考えていたが,年末からアナタハンの火山活動が活発化したため調査を延期し,研究費を20年度に持ち越した.平成20年5月には事前調査を実施し,機材の運搬方法や設置方法などについて,現地研究者,ヘリコプター会社,船会社との調整を行った.また,臨時観測によって良質の地震データが得られることを確認した.6月末〜7月始の2週間をかけて,アナタハン,パガン,アグリハン,アスンシオン,マウグ,ウラカスの地震地殻変動・地質総合調査を実施した.ヘリコプターはアナタハンにおける荷揚げ,機材設置,2名研究者の輸送に使用し,機材全般の輸送や,アナタハン以外の機器設置や調査は傭船を用いて実施した.その結果,アナタハンにおいては島内5ヵ所に地震計,1ヵ所に傾斜計を設置することができ,20年度末にデータ回収を行うことになった.GPSに関してはアナタハンの5点に加えて,上記島々において2日以上の継続観測を行うことができ,2004年以前の観測結果と比較可能な良質データを得た.すなわち,北マリアナ島弧が,ウラカスの北を固定軸として,反時計方向に東進するように背弧拡大していることが明らかになった.GPS観測の結果はアジア地震学会と米国地球物理学会で発表した.また,アナタハンとウラカスでは地上地質調査を行い,アナタハンでは,2005年以降の噴火の堆積物を確認し,噴火の及んだ範囲を確認することができた.20年度末に回収予定をしている地震計,傾斜計データ,およびGPSの繰り返し観測結果の解析によりアナタハンのマグマ供給系が明らかになると期待される.
|