2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19403003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 節也 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授 (60128056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30220073)
前野 深 東京大学, 地震研究所, 助教 (20444078)
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Keywords | 北マリアナ諸島 / 地震地殻変動観測 / アナタハン / ウラカス / 背弧拡大 / マグマ供給系 |
Research Abstract |
北マリアナ諸島のアナタハン火山は,陸上火山としては北マリアナ弧の最南端に位置する活火山である。そこでは2003年5月に有史初の中規模噴火が発生し現在も断続的に活動を続けている。本研究では,アナタハン島で地震,測地,地質・岩石学的立場から総合的な観測・調査を進め,噴火状態を火山学的に評価し,噴火それを引き起こしたマグマの蓄積・移動過程などのマグマ供給の仕組みを明らかにするとともに,北マリアナ弧におけるアナタハンのマグマ活動の位置づけを,造構場と岩石学の立場から理解することを目的とする。 平成20年度5月に地震計を仮設置し,想定したシステムで解析に十分なデータ取得が可能かどうかを確認した。引き続いて6月末に火口を挟んで島全体に広がるような5点の地震の臨時観測点を設置した。このうち2点はこれまでのGPS観測点と同一であり新たな観測点3点にもGPSのキャンペーン観測ができるように整備した(渡邊・森田,2008)。これらの観測点では電源としてエアーバッテリーを使用しデータロガーに記録した。また火口の地形調査を行った。島内の徒歩移動が不可能であるため,大型機材は釣り船で運搬し,サイパンからのヘリコプターで小分け運搬および調査移動に使用した。さらに6月末から7月初めにかけて上の観測網展開で用船した釣り船を使用し,北マリアナ諸島のGPS観測および岩石試料の採取を行った。GPS観測は約10年間我々のチームが展開して来た観測研究のデータを活用した研究である。最北端のウラカス島ではマグマ供給系について岩石学的な議論をするため特に集中して調査資料採取を行った。 平成21年1月にはアナハタン島で前年度から展開している地震観測データの回収と繰り返しGPS観測を実施した。回収した地震観測データと繰り返しGPS観測データの解析を開始した。北マリアナ諸島の背弧海盆の拡大のメカニズムについてはこれまでの考え方を補強するデータが得られ,平成20年AGU秋季大会で発表した。
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Research Products
(4 results)