2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境変動に対するベーリング海・チャクチ海の海洋生態系の応答
Project/Area Number |
19405002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平譯 享 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (70311165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 誠一 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (70250503)
帰山 雅秀 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (80305937)
工藤 秀明 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (40289575)
矢部 衞 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (80174572)
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Keywords | 海洋生態系 / ベーリング海 / チャクチ海 / 北極海 / 海氷 / 海洋環境 / 生物生産 / 生物多様性 |
Research Abstract |
季節海氷域である当該海域における海洋環境と海洋生態系の応答を明らかにするべく、2007年7月〜8月の間、本学練習船「おしょろ丸」により海洋観測および各種トロール等を用いた魚類・底生生物サンプリングを実施した。当年は海氷の張り出しが非常に弱く9月には過去最低を記録した。観測海域には全く海氷を見ることは無かった。さらに物理観測ではアラスカ沿岸において12〜14℃の高水温が観測された。これは、海氷の張り出しが過去最小となった原因の一つをいち早く捉えた重要な結果である。 一方、このような海洋・海氷環境下において海洋観測を実施できたことにより、基礎生産力や動物プランクトン種組成などが環境の変化に対しどのような応答をするか、過去に無い重要かつ貴重な現象が明らかになると考えられる。 また、当該海域は世界有数のトロール漁場である。しかしながら、観測期間中のボトムトロールによる魚類現存量は非常に少なく、海氷後退の影響を受けている可能性も示唆された。 衛星リモートセンシングを利用した観測も実施し、アラスカ沿岸の高水温、海氷の後退および植物プランクトンブルームの様子が海洋観測期間中を含めモニタリングできた。さらに、植物プランクトンサイズを海色リモートセンシングデータから推定するアルゴリズムを開発した。上記海洋観測によって検証した結果、推定方法に改良が必要なものの大型/小型の植物プランクトンが優占する海域を判断することができた。海氷後退に伴う植物プランクトン種の遷移および高次生産への影響評価に役立つと期待される。
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Research Products
(19 results)