Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道田 豊 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20323628)
石田 健一 東京大学, 海洋研究所, 助教 (40232300)
青木 優和 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70251014)
上井 進也 新潟大学, 自然科学系研究科, 准教授 (00437500)
鯵坂 哲朗 京都大学, 農学研究科, 助教 (40144349)
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Research Abstract |
本研究では,東シナ海沿岸のホンダワラ科植物の分布を種レベルの解像度で明らかにしベースラインデータを蓄積することを目的としている.また,現場調査をもとに衛星画像解析により東シナ海沿岸のガラモ場分布を推定する.そして,東シナ海沿岸のホンダワラ類,特に,アカモクの遺伝子情報を蓄積し,東シナ海に出現する流れ藻の起源を推定するための遺伝子データベースを構築する.東シナ海におけるガラモ場と流れ藻との比較,日本周辺の流れ藻やガラモ場との比較を通じて,流れ藻生物群集の生態学的な遷移について検討するとともに,流れ藻の分布移動を推定する. 台湾の研究者から中国大陸近傍の台湾領である連江県の馬租においてアカモクが分布するという連絡を平成21年1月に受けたが,馬祖島周辺海域における海況は4月以降でなければ安定せず,現場調査は困難であるということであった.この情報は,東シナ海で発見されているアカモクのみからなる流れ藻の起源として,新たに福建省沖合域馬祖島周辺を含むことになる.また,現場調査によりアカモクが採集できた場合には分布情報だけでなく遺伝子情報が得られ,研究を大きく進展させることになる.そこで,平成21年5月に台湾の連江県に属する南竿島および東引島に赴き,現場調査を実施した.その結果,ノコギリモクやヤツマタモクの分布が認められ,日本よりも低緯度にありながら,温帯域のホンダワラ類が繁茂していることが明らかになったが,アカモクについては確認できなかった.しかし,連江県のカウンターパートからアカモク流れ藻を採集したとの報告を受けた.また,金門島にも赴き,金門県水産試験場からアカモク流れ藻の標本を譲り受けた.これらのことは,中国の福建省沿岸にもアカモクが分布する可能性を示唆していえる.今後,今回得られたアカモク標本の遺伝解析を予定している.
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