2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国東北地方の悪性腫瘍と関連疾患の発症要因の学術調査
Project/Area Number |
19406007
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
蓮井 和久 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70198703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出雲 周二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30143811)
金蔵 拓郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70177509)
松山 隆美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30145479)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00041351)
河野 嘉文 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20260680)
|
Keywords | 人体病理学 / 鼻型NK / T細胞リンパ腫 / 鼻咽頭扁平上皮癌 / Epstein-Barr virus (EBV) / 活性酸素種(ROS) / 自己貪食細胞死 / リンパ腫細胞増殖パターン / 中国(東北地方) |
Research Abstract |
この研究は、研究2年度までに、鼻型NK/T細胞性リンパ腫(NKTCL)の多発地域の鼻咽頭リンパ腫と関連病変(134例)で、Epstein-Barr virus (EBV)感染に先行する発癌刺激の存在とEBV感染関連の特異な自己貪食亢進、リソゾーム酵素産生低下、その結果の自己貪食細胞死を明らかにし、研究3年度である今年は、研究成果発表会(第3回日中病理学シンポジウム、山東大学医学部、2009,8.3)を行い、発癌刺激の存在を鼻咽頭リンパ腫での外的・内的活性酸素種(ROS)による細胞傷害(DNA損傷)の側面から検討する為に、抗8-OHdG抗体のALP標識ポリマー法で検索した。病変中の呼吸上皮は粘液細胞以外の上層に位置する核に陽性像を示し(16/17:94%)、扁平上皮は上層の細胞の核ほど強い陽性像を示し(19/20:95%)、漿液性腺上皮との粘液性腺上皮は6/12(50%)と0/11(0%)の陽性像しか示さずに、外的活性酸素種による損傷の存在が示唆された。一方、扁平上皮癌(21病変)は扁平上皮での8-OhdGの染色像とは異なり浸潤部での淡い染色像を全例示し、内的なROSによる損傷を示唆した。リンパ腫細胞の増殖と8-OhdG染色像の関係を、定常的増殖における細胞死に伴う陽性像、細胞数減少性増殖に伴う陽性像、壊死に伴う陽性像に区分すると、B細胞リンパ腫は主に前2者(27/33:81%)を示し、NKTCLは、主に後者(62/77 80%)を示し、腫瘍細胞のROSよるDNA損傷の多くは内的なものであり、自己貪食亢進はミトコンドリア由来の強力なROSを生じ、ROS産生は自己貪食細胞死の過程で観察されることを示唆した。従って、鼻咽頭リンパ腫病変の正常上皮は、EBV感染に先行する発癌刺激の一つとして外的なROSの存在を示唆した。
|
Research Products
(12 results)
-
[Journal Article]2010
Author(s)
蓮井和久, 鈴木紳介, 松下格司
-
Journal Title
WHO血液腫瘍分類~WHO分類2008をうまく活用するために~(リンパ系腫瘍)(中村栄男, 飯田真介, 大島孝一, 木下朝博, 吉野正編)(慢性炎症に伴うびまん性B大細胞リンパ腫)
Pages: 587(389-392)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-