2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジアから東アフリカまで広がる噛みタバコ習慣による口腔がん発症機構
Project/Area Number |
19406030
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
朔 敬 Niigata University, 医歯学系, 教授 (40145264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程 〓 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40207460)
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
依田 浩子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60293213)
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Keywords | 口腔がん / 噛みタバコ / 発症機構 / 病理疫学 / 分子病理学 / がん関連遺伝子 / 粘膜下線維症 / 増殖・浸潤 |
Research Abstract |
前年度までの研究項目を繰り返し、以下の実験をおこなった。 1)症例収集と疫学調査:口腔がんおよびその前癌病変症例の症例抽出の基本的方法を新規に踏査開始するアラビア・アフリカ地域に技術移転をおこなうために、本年度はミャンマーのイラワジ川流域およびモロッコにおける抽出方法の標準化をおこなった。ミャンマーでは、現地共同研究者Myintらが、マンダレー総合病院およびヤンゴン総合病院で症例収集し、さらに患者にタバコ習慣に関するアンケート調査を実施した。モロッコには朔とヨルダンのサワイルがそれぞれ出張して、噛みタバコ習慣の広がりを調査し、口腔がん症例の抽出について現地共同研究者Rifkiらと協議を行った,その結果、ミャンマーでは、口腔がんは全身のがんのなかで6番目に多いこと、その背景として噛みタバコと喫煙が重要であることが判明した。 2)パラフィンブロックの解析:1)で収集したミャンマーの口腔癌・前癌病変の120症例を得た。それらのパラフィンブロックから連続切片を作製し、HE染色を行い、病理組織学的診断を再検討し、粘膜下線維症OSFの進行程度を形態学的に確認し、さらに、パラフィン切片よりDNAを抽出してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によってがん関連遺伝子DNA断片増幅をおこなった。しかし、DNA保存状態が必ずしも良好でないので、増幅が困難な症例が多く、その対策に苦慮している。 3)増殖浸潤関連分子の検討:2)の組織切片では、これまでに検討してきた診断および増殖・分化に関わる分子の免疫組織化学を行い、MMP7やFGF7等の発現が増殖・浸潤性との関連を示唆するデータが得られている。 上記の調査結果から、発展途上国症例では、DNA試料解析には限界があるものの症例の病理疫学的解析には可能性があるので、今後の研究の主体を疫学的方法に移行していく必要が示唆された。
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Research Products
(17 results)