2007 Fiscal Year Annual Research Report
代数的ソフトウェア向き多重文脈型推論基盤システムの開発研究
Project/Area Number |
19500020
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 正仁 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50133707)
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Keywords | ソフトウェア学 / システム工学 / ディペンダブル・コンピューティング / 人工知能 / 項書換え系 / 完備化手続き / 定理自動証明 / 停止性 |
Research Abstract |
ソフトウェア工学の基礎分野における推論システムに対して多重文脈型の推論システムを設計・実装し,専門知識や直観・洞察に依存する文脈の入力から利用者を解放することにより,論理的なユーザインタフェースを抜本的に改善し,専門性の低い一般技術者が推論システムを気軽に活用できる道を切り開くことを目的として,特に,等式や書換え規則を対象として構成される代数系の計算モデルに関わる推論システムのクラスに焦点をしぼり,このクラスの様々な推論システムの機能と文脈の関わりを分析し,多くのシステムから共通して使うことのできる多重文脈型推論システムの基盤となるミドルウェアの研究開発に着手し,次の成果を得た。 (1)先行研究におけるソフトウェアの構造を整理し,他の推論システムにおいても利用可能となるようなアーキテクチャを整備した。等式や書換え規則など,多くの推論システムに共通する重要な構造データをオブジェクトとして抽象化し,完備化における推論規則を実行するメソッドのインタフェースを設計した。 (2)上記の基盤の上に,完備化手続きを多重文脈型の推論システムとして設計開発した。 (3)停止性検証の部分について,多項式解釈に基づく簡約順序や依存対に基づく方法まで拡張し,制約充足に着目した実装について基本的な検討を行った。また,定理証明についても検討した。 (4)本研究経費の設備備品費で購入したワークステーション上でシステムのプロトタイプを実装し,その効果を評価した。
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