2008 Fiscal Year Annual Research Report
代数的ソフトウェア向き多重文脈型推論基盤システムの開発研究
Project/Area Number |
19500020
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 正仁 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50133707)
|
Keywords | ソフトウェア学 / システム工学 / ディペンダブル・コンピューティング / 人工知能 / 項書換え系 / 完備化手続き / 国際情報交換 / オーストリア |
Research Abstract |
本研究の目的は, ソフトウェア工学の基礎分野における推論システムに対して多重文脈型の推論システムを設計・実装し, 専門知識や直観・洞察に依存する文脈の入力から利用者を解放することにより, 論理的なユーザインタフェースを抜本的に改善し, 専門性の低い一般技術者が推論システムを気軽に活用できる道を切り開くことにある。特に, 等式や書換え規則を対象として構成される代数系の計算モデルに関わる推論システムのクラスに焦点をしぼり, このクラスの様々な推論システムの機能と文脈の関わりを分析し, 多くのシステムから共通して使うことのできる多重文脈型推論システムの基盤となるミドルウェアを研究開発することを日的としている。平成20年度は, 前年度の内容を継続するとともに, システムの詳細設計・実装・評価に着手した。具体的には, (1)完備化の基本的な推論手続きを分析し, 多重文脈型の推論システムを設計した。特に1停止性検証については, 多項式解釈に基づく簡約順序や依存対に基づく方法まで拡張した。(2)停止性検証の推論システムを多重文脈型として設計し, それらに対して共通の実行基盤を与えるためのミドルウェアを設計・実装した。特に, 等式を左右のいずれに向き付けるかの判断に依存した文脈に焦点をしぼり, その多重文脈の表現と処理方法を設計した。(3)システムの詳細な設計に着手した。上記のミドルウェアを適切に実装し, そしてそれをオブジェクト指向の意味において再利用可能とするようプログラムを設計し, ドキュメントを整備した。また, ベンチマークテストによりその有効性を評価した。(4)次年度の準備として, SATを利用した制約充足の基本手続きを分析し, 多重文脈型とするための検討を開始した。
|