2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の小胞体ストレスにおけるシンタキシン5アイソフォームの役割
Project/Area Number |
19500327
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
須賀 圭 杏林大学, 医学部, 助教 (30306675)
|
Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / ストレス / 脳神経疾患 / syntaxin |
Research Abstract |
本研究は、細胞内小胞輸送や形質膜輸送を制御するSyxファミリーの中において、特異な機能を有することを示したSyx5アイソフォームに着目し、神経細胞のERストレスに伴う膜蛋白質輸送・糖鎖修飾・ゴルジ装置構造変化におけるSyx5の役割を明らかにするのが目的である。 株化培養神経細胞・初代培養海馬神経細胞にERストレス負荷を与えた系において、Syx5アイソフォームの発現および細胞内動態の変化に焦点を当てて解析した。免疫化学的手法によりSyx5アイソフォームの細胞内局在を検討したところ、ERストレス負荷を与えた細胞においてSyx5アイソフォームは斑点状に局在し、Syx5アイソフォームの発現をknock-downした時にも同様に見られるいわゆるGolgi fragmentationが観察された。また様々な培養細胞ならびに初代培養海馬神経細胞において糖鎖修飾を阻害するTunicamycin(Tm)やER内Ca^<2+>ホメオスタシスの撹乱を引き起こすThapsigargin(Tg)ならびにCyclopiazonic acid(CPA)、さらにはER-ゴルジ間の小胞輸送を阻害する毒素であるBFA処理することによりERストレス負荷を行うと、様々な細胞系においてSyx5アイソフォームの発現量が増加することを見出した(Suga K., et al.,submitted)。それは他のSyxのタイプでは見られなかったが、Syx5アイソフォームと同族のER-Golgi SNAREを構成する一部の蛋白質においても見られることを見出した。
|