2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代超音波造影剤を用いた悪性腫瘍のセンチネルリンパ節同定法の研究
Project/Area Number |
19500424
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
尾本 きよか Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (90306118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245053)
穂積 康夫 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50260831)
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Keywords | 次世代超音波造影剤 / センチネルリンパ節 / 悪性腫瘍 / 超音波造影法 / 乳癌 / 腋窩リンパ節郭清 / ソナゾイド |
Research Abstract |
・本年度(平成19年度)は、乳癌患者20人を対象に超音波造影剤ソナゾイドの乳輪下投与により、超音波造影画像でsentinel lymph node(SLN)が同定できるかを検討した。 ・対象は乳癌患者20人。方法は、まず手術の数時間以上前にソナゾイド2mlを乳輪下に注射し、約10分超音波画像で腋窩部を観察した後に、乳輪下に1%パテントブルーを注射し、センチネルリンパ節生検を開始した。 ・超音波で経皮的に観察し、造影されたリンパ節をCE-SLNとし、切開した後に青色に染まったリンパ節をD-SLNとした。また同時にガンマープローブを切開部に押し当てて反応のあったリンパ節をR-SLNとした。摘出したリンパ節は、ホルマリン固定後に病理学的に転移の有無を検索した。 ・結果は、20症例の中でCE-SLNが同定されたのは14例で、同定されたCE-SLNの個数は1-2(平均1.1)個で、同定に要した時間は2-20(平均5.3)分であった。病理学的に転移のなかった15症例のうちCE-SLNが同定できたのは12症例で、一方転移のあった5症例のうち同定できたのは2症例であった。 ・以上よりヒト乳癌患者において、超音波造影剤ソナゾイドを乳輪下に注入することによりSLNの同定が可能であることが示唆された。さらに症例を重ねその有効性を検証するとともに、投与経路、投与方法、投与量、安全性についても検討していく予定である。
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