2007 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な水利社会の構築のための地理学研究と教育の統合
Project/Area Number |
19500884
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
新見 治 Kagawa University, 教育学部, 教授 (80136283)
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Keywords | 水文環境 / 水利社会 / 持続可能 / 教育 / フィールド / 水リテラシー / 博物館等施設 |
Research Abstract |
持続可能な水利社会の構築は環境と資源の保全にとって最重要課題と認識されているが、技術的・対症療法的対策や観念論・精神論が溢れている現実がある。持続可能な水利社会の姿を明確化し、これを構築するにはフィールドに学ぶ姿勢が不可欠であり、一方で子どもや市民の水リテラシーを高め、社会全体の問題発見・解決能力を向上させることが必要である。本研究は、水に関わる地理学研究と地理教育を統合することで新たな教育研究領域の開拓を企図するもので、研究目的を、(1)既往の水文地理学分野での研究成果を基盤として、臨床的・実証的フィールド研究を推進することにより、持続可能な水利社会を構築するための課題と指針を明示すること、(2)地理教育や環境教育等、教育学部での教育実践研究での成果を踏まえて、次代を担う子どもや市民の水リテラシーの醸成を支援する方策を明示すること、とした。 平成19年度における研究実績の概要は、以下の通りである。(1)持続可能な水利社会の構築という課題の達成に向けて、地理学や地理学研究者が果たすべき社会的貢献について先行研究や実践活動事例を踏まえて考察した。(2)香川県を第1の調査地域として、地域の水文環境と水循環系の変化過程を把握するための調査とデータ収集、子どもや市民の水リテラシーを醸成する博物館等施設や諸活動の実態把握を行った。(3)調査研究実績を踏まえて、沖縄県那覇市、熊本県熊本市、福岡県柳川市、愛媛県西条市、京都府京都市、岐阜県大垣市、福井県大野市、富山県黒部市等において現地調査を実施し、現地観察、水文環境保全や環境教育への取り組み、水に関する博物館等施設とその活動実態等に関する資料収集を実施し、これを整理分析した。こうした本年度の調査結果をもとに、次年度以降における研究課題の焦点化を図った。
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Research Products
(1 results)