2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510061
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岡崎 龍史 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (50309960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津山 彰 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10194218)
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Keywords | p53 / 遅延型突然変異 / アポトーシス / T cell receptor |
Research Abstract |
マウスでは加齢に伴いT cell受容体の突然変異率(TCR MF)が上昇し、p53遺伝子が関与することを報告してきた。加齢に伴いp53依存性監視機構が破綻したと考え、p53遺伝子の加齢において重要な役割を担っていると考えられる。すなわち、p53(+/+)マウスでは60週齢以降、p53(+/-)マウスでは40週齢以降、TCR MFの上昇は未照射マウスでもみられたが、その傾向は8週時3Gy照射群(照射群)で顕著であり、照射群において遅延型突然変異の時期にアポトーシス活性の低下していることを報告した。本研究では、p53(+/+)マウスおよびp53(+/-)マウスにおいて、それぞれ72週齢および56週齢における照射群で、活性型p53タンパクの発現量の低下、p53遺伝子の存在する11番染色体の転座率の増加を確認した。脾臓細胞中のT cell受容体の異常細胞とされるCD3-CD4+細胞を選別し、その細胞におけるp53遺伝子配列のエクソン7の5'側のイントロン部分においるヘテロな点突然変異をみたが、その対照となるCD3+CD4+細胞ではそれを認めなかった。さらに平成20年度は、p53(+/+)マウスおよびp53(+/-)マウスのそれぞれ72週齢および56週齢において、照射群では非照射群に比べてp21タンパクの減少しており、それらマウス骨髄細胞の細胞周期は、照射群では亢進していた。またCD3-CD4+細胞におけるp53遺伝子のアレルは照射群で減少していた。若年時の放射線被曝によって誘発されるDNA損傷に対する防御システムの破綻は、p53遺伝子が深く関与していることを示唆できる。すなわち、放射線被曝により加齢とともにp53遺伝子の突然変異あるいはシグナル異常により、損傷修復やアポトーシス誘導という機能を果たさなくなるため、加齢が亢進すると考えた。
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Research Products
(3 results)