2008 Fiscal Year Annual Research Report
低コストかつ持続可能な最終処分場の総合浄化システムの開発
Project/Area Number |
19510083
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 史尚 Kanazawa University, 自然システム学系, 准教授 (60293370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 嘉利 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20172455)
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Keywords | 環境修復技術 / 総合浄化システム / 最終処分場 / 生物処理 / バイオマス資源化 / リデュース / コケ / バイオガス |
Research Abstract |
最終処分場の問題は、世界各地で生じている。ファイトレメディエーションは、低コスト・持続可能で広範囲の浄化が可能であることから欧米諸国で実用化の段階(フィールドテスト段階)に入っているが、我が国では研究の領域を出ていないのが現状である。銅ゴケを用いた廃水処理法は、これらの生物種が重金属の耐性や吸収力があるとの生物学的知見は出されているものの、水処理に用いられた例はほとんどなかった。そこで、本研究では、最終処分場土壌を重金属蓄積植物によって浄化・修復するとともに浸出水を、銅ゴケを用いて処理し、土壌と浸出水の処理後の廃棄物(いずれも植物体)を植物性バイオマスの資源化プロセスの応用することによって、植物を用いた最終処分場の低コスト・持続可能なリデュース(廃棄物発生抑制)型総合浄化システムの開発を試みた。 重金属蓄積植物を用いた最終処分場の土壌浄化・修復に関しては、ヘビノネゴザを用いて行い、2320 mg/kg-soilの銅と220 mg/kg-soilの鉄を含む土壌をそれぞれ413 mg/kg-soilと10.6mg/kg-soilまで浄化・修復できることを明らかにした。さらに、銅ゴケを用いた浸出水の処理では、397 mg/L COD、26.5 mg/L亜鉛を含む浸出水を処理し、それぞれ154 mg/Lと2.3 mg/Lまで処理することを明らかにした。リデュース型処理法としての処理後の植物体の資源化としては、水蒸気爆砕を用いた前処理を施すことによって、亜鉛の50%を回収でき、植物体100gから550mLのメタンガス(バイオガス)あるいは1.6gのエタノール(バイオエタノール)を生産できることがわかった。以上のことから、本研究で考案した植物を用いた最終処分場の低コスト・持続可能なリデュース(廃棄物発生抑制)型総合浄化システムは、実現可能であることがわかった。
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Research Products
(14 results)