2008 Fiscal Year Annual Research Report
患者の顧客満足と病院選択行動に基づく病院経営の最適化
Project/Area Number |
19510139
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 久敏 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (10108219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 博通 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (80361301)
宮川 雅至 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50400627)
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Keywords | 病院経営 / 消費者行動 / 顧客満足度 / モデル化 / 統計数学 |
Research Abstract |
病院経営は外来診療より入院患者の確保に大きく左右される。入院経路は、(1)救急車搬送等、(2)他医療機関の紹介、(3)外来患者からの入院に分類できる。(1)と(2)は患者自身による病院選択ではない。したがって、(3)の外来患者の病院選択行動への理解が入院患者の確保につながる。このことから、患者による病院選択行動は、病院の魅力度、患者の年齢、自覚症状の重症度、公共交通機関の整備状況、通院時間、地域等によって異なるという仮説に基づき、患者の病院選択行動における要因とその相互関係の構造を抽出し、それを入院患者の確保策や病院経営の戦略に応用することが目的である。 年度当初は、外来患者、入院患者に対するアンケート調査を実施し、患者が病院を選択する際に、どのような要因に基づいて行うのかを明らかする予定であったが、協力を期待していた病院側の人手不足で、本年度内の調査が困難となった。このため、当該アンケート調査は翌年以降に実施することに方針を転換し、代わりに一昨年の研究成果である東京共済病院へ通院患者の居住地(町丁目レベル)と受診診療科に関する分析を拡張することにした。同病院の入院患者について、また周辺病院である厚生中央病院、三宿病院について、それらの通院患者と入院患者の居住地(町丁目レベル)と受診診療科に関するデータを入手し、それらをGIS(地理情報システム)とGoogle Earthを連携させ、各病院の各診療科別に町丁目別患者獲得率を立体図として表示し、視覚的に各病院の魅力度を表現できるシステムを完成させた。また患者居住地から各病院への通院時間距離を推定するモデルを構築し、患者獲得率と通院時間距離との関係を分析できるシステムを構築した。これらの研究成果を各学会において研究発表を行った。
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