Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 祐之 三重大学, 人文学部, 特任教授 (50011359)
小川 眞里子 三重大学, 人文学部, 教授 (00185513)
片倉 望 三重大学, 人文学部, 教授 (70194769)
遠山 敦 三重大学, 人文学部, 教授 (70212066)
秋元 ひろと 三重大学, 教育学部, 教授 (80242923)
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Research Abstract |
本研究は,西洋古代にまで遡って,現在「自然」と翻訳されている諸概念を原典に即して見直し,その後現代に至るまでの「自然」の意味の変遷をたどるとともに,それをインド,中国,日本の思想における「自然」理解と突き合わせながら,比較思想的に「自然」観の再検討を行うものである。 本年度は,4月,6月,11月,1月に三重大学において,それぞれ西洋古代哲学,西洋近代哲学,科学史を専門とする分担者が執筆した論文を題材にして,研究会を行った。また9月には,他大学の研究分担者も含めて研究合宿を行い,各研究分担者の役割と今後の研究の進行を確認するとともに,中国古代哲学,西洋近代哲学を専門とする分担者が執筆した論文について討議を行った。それを踏まえて,各分担者が論文を発表した。そのうち山岡悦郎は,西洋現代の分析的倫理学における「自然主義」批判の展開を念頭に置きながら,メタ倫理学と規範的倫理学の関係について検討した(「メタ倫理学と規範的倫理学」)。伊東祐之は,人間が認識を行う際,「知る」ことと,その知ついて疑いをもつことは,人間の本性・自然にとってどのような意味をもつのかを,古代のプラトン,ロック以降の近代哲学,現代の心の哲学などの議論を踏まえながら考察した(「知と懐疑論」)。秋元ひろとは,ホッブズの政治思想を,アリストテレスやアウグスティヌスの政治論と比較しながら検討し,自然状態から政治状態への移行という枠組みにもとづく近代の社会契約論の特徴を明らかにした(「自然状態・政治状態とヨーロッパ政治思想の伝統」)。
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