2008 Fiscal Year Annual Research Report
「自然」と翻訳される諸概念間の差異に関する哲学的研究
Project/Area Number |
19520019
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山岡 悦郎 Mie University, 人文学部, 教授 (90115741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 祐之 三重大学, 人文学部, 特任教授 (50011359)
小川 眞里子 三重大学, 人文学部, 教授 (00185513)
片倉 望 三重大学, 人文学部, 教授 (70194769)
遠山 敦 三重大学, 人文学部, 教授 (70212066)
秋元 ひろと 三重大学, 教育学部, 教授 (80242923)
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Keywords | 哲学 / 自然 / 比較思想 |
Research Abstract |
本研究は、西洋古代にまで遡って、現在「自然」と翻訳されている諸概念を原典に即して見直し、その後現代に至るまでの「自然」の意味の変遷をたどるとともに、それをインド、中国、日本の思想における「自然」理解と突き合わせながら、比較思想的に「自然」観の再検討を行うものである。本年度は、4月、6月、11月に三重大学において研究会を行い、それぞれ西洋現代哲学、西洋近代哲学、西洋古代哲学を専門とする研究分担者が執筆中の論文を検討した。また9月には、他大学の研究分担者も含めて研究合宿を行った。そこで各研究分担者がこれまでの研究の進行状況を報告し、その内容を参加者全員で討議するとともに、今後の予定を確認した。以上の研究会、研究合宿の成果を踏まえて、各分担者が論文を発表した。その主なものは次の通りである。秋元ひろとは、西洋古代から近代にかけて「自然法」の概念がどのように展開されてきたかを検討することを通して、各時代において「自然」と価値秩序がどのように捉えられていたかを明らかにした(「自然と世界の価値秩序」)。片倉望は、『老子』などの中国古代の文献において、「自然」は「自分自身で…する」という意味をもつにすぎず、日本語の「自然」とは意味合いが大きく異なることを示した(「中国古代における「自然」」)。なお、これらの論文をまとめ、論集『自然の探究』(片倉望編)の刊行までこぎ着けたことは、本年度の特筆すべき成果である。
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Research Products
(5 results)