2010 Fiscal Year Annual Research Report
国宝「初音の調度」の総合的研究-技法・意匠を中心に-
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19520123
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Research Institution | The Tokugawa Reimeikai Foundation |
Principal Investigator |
小池 富雄 財団法人徳川黎明会, 徳川美術館, 学芸員 (40195631)
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Keywords | 蒔絵 / 婚礼調度 / 幸阿弥家 / 近世大名 / 漆工史 / 千代姫 / 寛永文化 / 源氏物語 |
Research Abstract |
平成22年度は、4年間の本研究の最終年度であるので、前半には従来通りの研究会を1回延べ2日間開催し、徳川美術館の収蔵品である国宝初音の調度および関連作品の熟覧調査を継続した。年度後半では、名古屋開府400年徳川美術館蓬左文庫開館75周年記念「国宝初音の調度展」全点の公開に併せて、11月23日の開幕初日に漆工史学会(会長荒川浩和氏)と共催で公開シンポジウムを開催した(会場徳川美術館講堂)。このシンポの開催経費の一部を名古屋市東区にある大幸財団から「地域の文化振興」の項目で資金助成を得た。開催趣旨は以下である。名古屋開府400年を記念して、近世大名文化の代表である国宝「初音の調度」の魅力や意義を語る。とりわけ近年4年間で開催された「国宝・初音の調度研究」による最新知見を、披露。パネリストと題目は以下、である。 1、ビンチク モニカ 立命館大学アートリサーチセンター。元ハンガリー国立博物館学芸員。元メトロポリタン美術館研究員。「近世大名の蒔絵婚礼調度-世界に散在する諸作例から」2、小松大秀東京国立博物館 副館長 「日本漆工芸史上における初音の調度」3、小池富雄徳川美術館企画情報部長 「寛永15年千代姫婚約の情勢-千代姫はなぜ二歳で光友と結婚したか」4、川畑憲子 九州国立博物館 研究員 「初音の調度のCT・レントゲン撮影および科学的分析度」5、室瀬和美 伝統技術保持者(人間国宝・蒔絵)「初音蒔絵の秘密-技法と材料の特質-復元摸造製作を通して」5人の発表の後に、座長小松氏の司会進行により、会場からの質疑応答を含めて討論をした。専門家のみならず多数の一般市民の参加があった。歴史、技法、意匠、科学的分析など多方面からの研究成果がわかりやすく披露された。シンポジウム記録は徳川美術館平成22年度研究紀要に刊行準備中である。聴講者200人。
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Research Products
(5 results)