2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520295
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岡田 知子 Tokyo University of Foreign Studies, 外国語学部, 准教授 (70292993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 広美 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60292992)
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Keywords | カンボジア / 文学 / 翻訳 / 東南アジア |
Research Abstract |
今年度は、東京外国語大学附属図書館、及び同大学外国語学部カンボジア語専攻研究室に所蔵め文学作品、また日本国内の個人所蔵の文学作品の現況を調査し、さらに翻訳にふさわしい内容であるか、著作権の取得は可能であるか、等についての検討、確認を行なった。その結果、現在カンボジアに遺族が在住の1名の作家による中篇小説1点、エッセー集1点および『ヌー・ハーイ文学ジャーナル』に掲載された短編小説が翻訳作品として適当であるとの結論に達した。 8月にカンボジアにおいて文学作品、および文学関係資料収集、また文学作品の動向などを関係者から聞き取り調査を行った。そこでクン・スルンの遺族であるクン・ゲート氏より「人生の輝き」「容疑者」の翻訳許可を取得した。 日本語への翻訳については、「人生の輝き」のうち、翻訳に適当と思われる6点について、また昨年度、翻訳権を獲得した「寺の小僧」「いとしの水牛」については、仮翻訳を終えた。翻訳作品公開の際に必要となる図像データを収集整理した。 さらにカンボジアで収集した一連の資料から、現代カンボジア文学の源流となったカシボジアの近代小説を題材として、論文「カンボジア近代小説『ソパート』に見られる民族意識と近代的自我」(岡田)、「クメール語の指示詞について」(上田)を執筆し『慶應義塾大学 言語文化研究所紀要』第40号に掲載した。
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