2007 Fiscal Year Annual Research Report
バントゥ諸語における動詞派生形の形態・統語論比較研究
Project/Area Number |
19520343
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小森 淳子 Osaka University, 世界言語研究センター, 准教授 (10376824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 信子 大阪女学院大学, 教養学部, 准教授 (90352955)
竹村 景子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (20252736)
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Keywords | 言語学 / 外国語 / バントゥ諸語 / 動詞派生形 / 適用形 / 語順 / マテンゴ語 / アフリカ |
Research Abstract |
本年度の研究計画では、若手のバントゥ諸語研究者を中心に研究会をもち、これまで各自がおこなってきた現地調査のデータをもとに、バントゥ諸語の形態統語論における各自のテーマについて発表し合うことを目的にあげていた。具体的には、各自があげる文法事項においてバントゥ諸語間の類似性と相違性について共通理解をもち、あらたな問題を認識しあうことである。計画通り、2007年5月に長崎でアフリカ学会が行なわれたのを機会に会合をもち、これまでの研究内容と、今後の研究計画について話し合った。さらに、2008年2月に大阪で研究会をもち、研究代表者がこれまでの研究の成果を報告し、またバントゥ諸語の理論研究者として著名な森本雪子氏(ベルリンZAS研究所)にゲストとして発表していただき、特に、目的語の対称性と有生性についての知見を深めることができた。このような研究会の機会は、個別にばらばらな研究をしている状態の日本のバントゥ語研究者の交流を促し、研究成果をまとめていくことができる点で意義があり、さらに、これまで少なかった海外研究者との交流の促進という点においても大きな意義があったと考えられる。 また、研究分担者の米田信子氏がタンザニアへ現地調査に行き、マテンゴ語の語順についての調査をおこなった。これまでSVOと思われていたバントゥ諸語の語順が、マテンゴ語においてはSやOの文法関係ではなく、主題や焦点といった情報構造が大きく関係しているということを明らかにし、その成果は今年度の論文で発表されている。これまでのバントゥ諸語の語順について考えられていたことに対して、まったく新しい知見を示すものであり、大変意義深い研究ができたといえる。
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Research Products
(5 results)