2008 Fiscal Year Annual Research Report
音韻と文法のインターフェースからの中国語の類型的特徴の再検討
Project/Area Number |
19520360
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
太田 斎 Kobe City University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (40160494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ラマール クリスティン 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30240394)
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Keywords | 文法化 / 語彙化 |
Research Abstract |
太田は2007年度の調査で収集したデータを音声分析し、名詞に後続する指小接尾辞の融合状況について、シンタグマ末位では現れにくく、このため動詞語幹のアスペクトを表す接尾辞との融合に比べ、調査で聞き出し難いことを中国語学会関西例会の口頭発表において指摘した。 また身体名称に見られる特殊な音変化について分析し、常用名詞に現れる音変化の類型について考察を行った。これについては蘭州における口頭発表の後、参加者と意見の交換を行い、修正を加え、『外大論叢』に論文として発表した。 ラマールは2007年度に陜西省の岐山方言で行った調査のデータに基づいて、次の研究論文を書き上げた。 1)「西北方言における、習慣的行為を表示する文末助詞niについて」(蘭州の口頭発表に手を加えて「咸陽師範学院学報」に掲載予定)。 2)『文法化と文法研究4』(呉福祥編)に掲載予定の論文。 「北方方言における着点マーカーの文法化と文法的位置の機能」というタイトルの論文の、着点マーカーが動詞語幹と融合する類型の描写に上記データを盛り込んだ。 3)方向を表す「往里」「往回」などのような副詞の調査データを利用して、シンガポール国立大学で口頭発表を行った。標準語にないような「往x」型の副詞がそろっており、xに方向補語と同じ形の形態素を当てる語彙化・文法化プロセスの動機付けを解明する研究である。現在その論文を執筆中。
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