2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520379
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
笹川 秀夫 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (10435175)
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Keywords | 社会言語学 / 地域研究 / カンボジア研究 |
Research Abstract |
平成22年度は、4年間の本研究計画の最終年度にあたった。そのため、昨年度までの調査を継続し、データ収集を完了させることと、口頭発表、論文執筆によって成果を公開することに努めた。 本研究計画の第一の課題、すなわち植民地期以降のカンボジア仏教の展開、対仏教政策、改革派僧侶の活動といったテーマは、分担者を務めている科学研究費助成金基盤A「大陸部東南アジア仏教徒社会の時空間マッピング:寺院類型・社会移動・ネットワーク」(研究代表者、林行夫京都大学地域研究統合情報センター教授)と重なる部分が多い。そのため、両者の科研費から支出して、夏期休暇に1ヵ月、冬期休暇に10日ほどカンボジアに赴き、国立公文書館においてフランス語版官報からのデータ収集と入力内容の確認作業を終えた。平成22~23年度の2年間にわたり、京都大学東南アジア研究所の公募共同研究「東南アジア研究の国際共同研究拠点」に「国家形成と地域社会-カンボジア官報を利用した総合的研究」(研究代表者、笹川秀夫)というテーマで採択されたこともあり、今後はこうした別資金も利用しつつ、データの分析と公開に努めていきたい。 第二の課題である20世紀のカンボジアにおける言語政策と、そうした言語政策に上述の改革派僧侶がどのように関与したかについては、本年度に口頭発表を実施した。今後は平成23年12月を締め切りとして、京都大学東南アジア研究所が刊行する『東南アジア研究』(査読誌)が英文でカンボジア特集を組むことが決まり、この口頭発表の内容を執筆するよう依頼を受けた。本科研費の受給期間に論文を執筆・刊行することはできなかったものの、成果公開の見通しがたった点で研究は進捗していると考えている。
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