2009 Fiscal Year Annual Research Report
ストーリーを語る談話・文章における日本語らしさについての研究
Project/Area Number |
19520439
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡辺 文生 Yamagata University, 人文学部, 教授 (00212324)
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Keywords | 言語学 / 談話分析 / 対照研究 / 文章 |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本語母語話者によるストーリーを語る談話(話しことば)と文章(書きことば)の分析をとおしてその談話展開の特徴を明らかにし,同じストーリーを日本語の非母語話者がそれぞれの母語および日本語で語る談話・文章と対照することにより,非母語話者に対してストーリーを持った内容を話したり書いたりすることの指導のための方略を探ることである。 《平成21年度の研究実績》 1.談話データのデータベース作成 前年度までに収集したデータの文字化および入力を行い,分析単位に区切る作業を行った。 2.談話・文章データの分析 データベース化したデータの分析を行った。21年度においては,「~てくれる・てもらう」など視点を表す表現の分析を中心に行った。その結果,依頼行為が関わる場面の記述において,日本語母語話者は60-80%の頻度で視点の表現を用い,その高い頻度の傾向は談話よりも文章において強く現れていたということ,日母語話者の日本語の場合は,依頼の発話の引用として視点の表現を使うことは訓練されているが,行為や出来事の記述の中で視点の表現を使うことには慣れていないということなどが明らかになった。 また,前年度からの継続課題として「~のだ」などの文末表現についても分析した。日本語母語話者の場合,談話においては約75%の文末で「~のだ」が使われていたが,文章では2%程度の低い頻度になること,日母語話者の場合,インフォーマントによる偏りが大きく,非用の傾向が見られることなどが明らかになった。 3.分析成果の発表 上記の分析結果を学会や論文で発表した。
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Research Products
(2 results)