2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本語習得にともなう留学生の脳機能変化の検証一脳磁図技法による経年的追跡研究
Project/Area Number |
19520446
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大北 葉子 Tokyo Medical and Dental University, 留学生センター, 准教授 (10361726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (20251514)
松島 英介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (50242186)
佐々木 嘉則 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 准教授 (00334558)
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Keywords | 脳磁図 / 漢字 / 外国人留学生 |
Research Abstract |
本年度は非漢字圏学習者、漢字圏上級学習者 (中国、台湾、韓国) 及び日本人を対象に脳磁図測定を行いM100, M170の反応の大きさを比較した。非漢字圏学習者は「絵、ハングル文字、偽漢字、誤漢字、真漢字」の五種類の視覚刺激を用いて、来日6ヶ月の初級7人 (カンボジア (1) 、インドネシア (1) 、パキスタン (1) 、タイ (2) 、ミヤンマー (1) ) 及、来日1年の初級1人 (ベトナム (1) ) 、初中級1人 (ヨルダン (1) の測定をした。カンボジアの被験者は来日後6ヶ月と11ヶ月の時点で測定ができた。初中級のヨルダンからの被験者は平成18年度のデータがあった。従って、二人の被験者に関して経年的データが得られた。M170の比較では、来日6ヶ月の初級学習者で過去に漢字学習経験がない者は「絵」が「真漢字」とほぼ同じ程度の大きさの反応を示したが、学習経験がある者は比率が絵:真漢字=0.9 : 1.0で先行研究からの知見である上級学習者及び日本人の比率絵:真漢字=0.8 : 1.0とのほぼ中間であることが分かった。カンボジア被験者の場合M170の比較では比率絵 : 真漢字はまだ1 : 1であったが、M100に関しては、来日後6ヶ月では偽漢字<誤漢字であったものが来日後11ヶ月では偽漢字>誤漢字と変化しており、偽文字効果が現れていた。初中級ヨルダン人被験者ではM100で平成18年ではハングル文字のみ小さかったが、平成20年ではハングル文字と誤漢字の二つが低くなっていた。これらは初級学習者では誤漢字に対する反応が大きいが、学習が進むにつれて誤漢字は容易に否定され、真漢字と区別がつけにくい偽漢字に対する反応が大きくなっていくということが示唆された。
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Research Products
(2 results)