2008 Fiscal Year Annual Research Report
外国人児童の母語学習支援をめぐるネットワーク形成の国際比較
Project/Area Number |
19520461
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松田 陽子 University of Hyogo, 経済学部, 教授 (80239045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野津 隆志 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (40218334)
久保田 真弓 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)
乾 美紀 大阪大学, 人間科学部, 助教 (10379224)
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Keywords | 外国人児童 / 学校 / 母語教育 / 兵庫県 / ネットワーク / タイ / オーストラリア / アメリカ |
Research Abstract |
1.兵庫県内で母語教育支援センター校としてかなり順調に推進されている学校のうち、ベトナム語(2校)、スペイン語(1校)、中国語(1校)の計4校を調査校として、共通の調査項目による訪問調査を数回実施し、それぞれの学校による特性と共通点を見るための比較分析資料を作成した。 現時点で明らかになっていることは、児童の参加意欲が4年生以降、低下していくこと、親の母語教室に対する考え方の多様性、多様な能力の子供たちを対象としたテキストや教授法の未開発、などの問題である。また、推進力となっている背景には、校長・教頭などの人権問題等への理解や外部者を学校に引き込むことへの考え方が大きく影響していることがわかった。 2.オーストラリア、アメリカを訪問し、一般学校での母語教育(中国語・ベトナム語)の実態とコミュニティ言語学校での母語教育(ベトナム語・日本語)の状況、および、多数の母語教育を推進している中核団体を訪問調査した。オーストラリアでは国の政策として母語教育が推進され、ある程度の予算措置があるため、教育および学習意欲が非常に高く、教材等が充実している。しかし、多様な目的やレベルの学習者が混在している状況では、やはり、教授法や教師の確保が大きな問題となっている。アメリカの調査例では、ベトナム人コミュニティが団結し、ネットワークを形成して、母語教育を推進している。タイ調査も継続して2回行っている。国内と国際調査を通じて、母語教育の意義や方法、それらをめぐる複雑な状況が明らかになりつつある。
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Research Products
(1 results)