2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520560
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山家 浩樹 The University of Tokyo, 史料編纂所, 教授 (60191467)
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Keywords | 中世史 / 禅宗寺院 / 史料学 / 妙心寺 |
Research Abstract |
本研究は、かつて禅宗寺院やその塔頭(院家)に伝来しながら流出し、分散して伝来している文書を本来の文書群に復元すること、およびそれを通じて得た新たな情報により、個々の文書の研究をすすめることを目的とする。 1 本年度も引き続き禅院流出文書の収集に努め、あわせて文書群復元を試行した。対象は、(1)近世以降、禅院から分散した文書原本、および写本に書写された文書写、(2)中世末以降に生成され禅院に伝来する雑録類に書写された文書類の写、おもに妙心寺派禅院関係のものである。 (1)では、史料編纂所架蔵複製史料をおもな素材として、蒐集文書群から網羅的に収集した。影写本(明治以降作成した原本からの忠実な写)の検索を進めておおよその目途を得たほか、写真帳からの検索も進めた。ほかに、史料編纂所所蔵原本・写本からの検索や、蓬左文庫など他機関所蔵写本の検討も進めた。また京都鹿王院ほかで調査および写真撮影を行ない、禅院文書の伝存の現況を確認し、分散した文書との関係を考察した。 (2)では、史料編纂所架蔵の雑録類の検索をすすめた。また、史料編纂所に架蔵しない雑録類の調査・発見のため、岐阜県崇福寺・少林寺等の妙心寺派禅院ほかで、語録や雑録を調査のうえ写真撮影を行なった。また、雑録類の生成と関わると考えられる、語録編集の検討を試みた。 2 分散文書群および個々の文書の研究では、具体的事例をもとに蒐集文書群の性格を考察するとともに、天龍寺南芳院から分散した文書の分析をおこない、また南禅寺慈聖院から分散した文書の再検討にも着手した。
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Research Products
(1 results)