2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520612
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 順一 Waseda University, 文学学術院, 教授 (70063716)
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Keywords | 東洋史 / 中央アジア |
Research Abstract |
今年度はモンゴル国の牧畜書、民族学・考古学に関する文献・資料を検討するとともに、夏季にモンゴル国に出かけて同国の遊牧状況の観察を行うとともに、遊牧の変容との関連で考察する必要のある同国におけるモンゴル人の行なった農耕に関する資料をウランバートルの歴史民族博物館及び考古博物館、オヴス県オラーンゴム及びボルガン県ハルポハの博物館において調査し、関連資料を博物館の許可を得て撮影した。また同国関係の地方誌や遊牧関係・農耕関係の文献や手稿本を、現物またはコピーによってかなり収集した。 内モンゴルに関しては、満鉄産業部の科爾沁左翼中旗に対する1937年頃の調査報告のうち第一区、第五区、第六区の部分を整理・分析し、その上でそれらの地区に該当する中国内モンゴル東部に位置する同旗の最東部及び北部の該当する地域に出かけて、その中にあるいくつかの集落を訪れ、現状を観察し聞き取り調査を行った。また同旗の主都である保康及び同旗が所属する通遼市にある大学図書館等において関連資料を収集し複写した。モンゴル国と内モンゴルでの調査には、研究協力者である永井匠を同行し、両国の研究者等の協力も得た。 また日本国内にある関連統計資料も追加収集をした。 以上の調査等によって収集した資料も使って、目下定着牧畜の半農半牧と純農耕への転換過程の双方について分析を行っているところであるが、この二つの問題は密接に絡まっているために、どちらかを優先させることは困難であると、現在考えている。
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